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独身労働者の7割超、低賃金で結婚できない

<写真:laodong.vn>
ベトナム労働総連合が2025年3月から4月にかけて実施した調査によれば、独身労働者の約73%が、低賃金を理由に結婚や出産に踏み切れないと回答した。
本調査は全国10の省市で3000人を対象に行われたものであり、労働者の生活実態が浮き彫りとなった。
全体の55%は現在の収入で基本的な生活費を賄っていると回答し、26%は倹約を余儀なくされている。
さらに8%は副業なしでは生活が成り立たないと答えており、突発的な支出に対応するために借金を抱える例も少なくない。
独身労働者の多くは、家庭を築くには収入が不十分であり、住宅の取得、将来の貯蓄、子育てにかかる費用に対して不安を抱えている。
また、既婚者の73%も経済的理由により子どもの出産や追加出産を先送りにしている状況である。
教育に関しては、53%以上が教育費の一部しか賄えず、7%は教育費の支払いすら困難であると訴えており、次世代における教育格差が懸念されている。
健康面においても厳しい現状が見られ、44%は最低限の医療しか受けられず、5.6%は薬の購入すら難しいと回答している。
調査では、企業の93%が最低賃金の6%引き上げを実施したとされるが、一部企業では社会保険料の対象労働者に限定する形式的な調整にとどまり、実質的な賃金上昇にはつながっていないとの指摘がなされた。
こうした状況を踏まえ、ベトナム労働総連合は2026年の地域別最低賃金引き上げとして、最低8.3%、最大9.2%の引き上げを提案している。
生活費に見合った賃金体系の整備が求められており、労働者の生計の安定が企業の生産性向上および長期的な雇用の安定につながるとされている。
一方、国家統計局によれば、2025年第1四半期における全国の平均月収は830万ドン(約4万5900円)であり、都市部と農村部の間には約1.4倍の格差が存在するという。
国際労働機関(ILO)は、2015年から2022年にかけてベトナム政府が最低賃金を引き上げてきたにもかかわらず、インフレの影響により実質的な賃金上昇は限定的であったと分析している。
名目賃金が42.7%増加した2015〜2019年の期間においても、実質賃金の伸びは20.1%にとどまった。
ILOは最低賃金の改定は物価上昇に対応したものでなければならず、労働者の基本的な生活ニーズを反映する必要があると提言している。
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