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ハノイのガソリン車規制、実現性に課題山積

2025年07月17日(本日)07時00分 公開
ハノイのガソリン車規制、実現性に課題山積

<写真:vietnamnet.vn>

 

ハノイ市は2026年7月から市中心部(環状道路1号線内)でのガソリンバイクの走行を禁止する方針を打ち出している。

 

しかしながら、公共交通機関の未整備、駐輪場や電動車両用充電インフラの不足といった課題が顕在化しており、円滑な移行には多くの障壁が立ちはだかっている。

 

政府の方針では、2028年には環状2号線内においてガソリンバイクおよびガソリン車の通行も制限され、2030年には環状3号線内のすべての化石燃料を使用する個人車両が規制対象となる予定である。

 

現在、ハノイ市には約690万台のバイクが登録されており、そのうち560万台がガソリン車である。

 

ハノイ市中心部のホアンキエム区、バーディン区、ドンダー区、ハイバーチュン区では、住民の主要な移動手段としてガソリンバイクが日常的に使用されており、交通の主軸を成している。

 

一方、公共交通機関が担っている移動需要は全体の約19%にとどまっており、バスや都市鉄道の整備は大きく遅れている。

 

都市鉄道については9路線が計画されているが、現在運行中なのは2A号線(カットリン〜ハドン)1路線のみである。

 

ハノイ市交通当局は2030年までに公共交通のシェアを35〜40%に引き上げる目標を掲げているが、専門家の間ではこの達成は困難であるとの見方が支配的である。

 

また、ガソリン車の通行が禁止された場合、環状1号線外から中心部へ向かう利用者が車両を乗り換えるための駐車場の整備が不可欠となるが、中心部には土地の余裕がなく、計画されている1620カ所の駐車場のうち、実際に稼働しているのはわずか72カ所にすぎない。

 

さらに、電動バイクへの移行も容易ではない。ハノイ市中心部の住民の多くが狭小住宅に居住しており、家庭内での充電設備の設置が困難である。

 

既存の充電ステーションも特定メーカーの車種に限定されているため、利便性に欠ける。

 

また、電動バイクの価格は3000万〜5000万ドン(約18万7500〜31万2500円)と高額であり、低所得層にとっては大きな経済的負担となっている。

 

こうした状況を受け、専門家は既存のガソリンバイクの保有状況や使用実態に基づいた補助金政策の策定、貧困層への購入支援、さらにはメーカーとの連携による車両交換プログラムの導入などを提言している。

 

ハノイ市が掲げる脱ガソリン車政策の実現に向けては、的確な制度設計とインフラの整備に加え、住民の生活実態に即した支援策の導入が急務である。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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