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ベトナムのテト消費に陰り、物価高と将来不安
<写真:hangthat.thuonghieucongluan.com.vn>
ベトナムでは旧正月(テト)を前にして消費が伸び悩みを見せている。
自然災害の影響や食品価格の上昇を背景に、家計防衛を意識する消費者が増加し、例年のような大規模な年末年始消費は控えられる傾向にある。
ホーチミン市在住の会社員は、仕事環境の悪化を理由に、今年のテト支出を大幅に減らす方針であるという。
親戚訪問や贈答品は最小限にとどめ、生活必需品を優先する考えである。
別の消費者も「盛大には祝わない」と語り、衣料品や生活用品は大型セールの時期に前倒しで購入し、テト期間中の追加支出を抑える姿勢を示している。
2026年のテト休暇は9連休と長期になる見通しで、消費刺激への期待は大きいものの、市場全体の雰囲気はなお静かである。
国内企業関係者からは「消費者の財布のひもは確実に固くなっている」との声が聞かれる。
市場調査会社の分析によれば、消費者心理は年後半にかけて悪化した。
洪水被害や税制変更、粗悪品や偽物流通への不安、物価上昇が重なり、支出判断が一段と慎重になっている。
実際、11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3%台後半の上昇となり、食品や衣料、医療、教育など幅広い分野で価格上昇が確認された。
こうした状況を受け、値引き品のみを選ぶ層や、より安価な商品を少量購入する層が増加している。
一方で、テトの過ごし方そのものにも変化がみられ、伝統的な大量調理よりも、簡便で実用性の高い商品や、自身や家族向けの支出、美容・健康関連分野への関心が高まっている。
企業側は単なる大幅値下げではなく、「お得感」や品質への信頼を訴求する販売戦略が重要になるとみている。
テト消費は依然として年間最大の商機であるものの、消費行動の変化を踏まえた商品構成や売り場づくりが、業績を左右する局面に入っている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。