おすすめのプロモーション
ベトナム保健省、アルコール類販売量制限を発表、販売業者と対立か
ベトナム保健省はアルコール類販売量の制限を強化する方針を示した。
一方でアルコール類の販売業者は、これ以上に販売を制限する必要がないとの見解を示し、保険省の方針に対抗する姿勢をあらわにした。
5月25日、ハノイで行われた講演会でベトナム飲料組合の会長であるNguyen Van Viet氏は「ここ3年間で急激にビールの消費量が伸びたというわけではなく、世界的に見てもベトナムでのビールの消費量はいたって平均レベルだ」と述べた。
WHO(世界保険機関)の調査によると、ベトナムにおける?1人あたりビールの消費量は平均で6.6リットルであり世界194ヶ国のうち94位であるという。
ベトナム飲料組合の主張に対して、保健省のTran Thi Trang氏は「確かに年間の平均消費量は6.6リットルであるが、この数字にはからくりがある。アルコールを一切飲まない人たちも統計上の母体に入っているため、平均消費量が下がるのは当然のことだ。
また、女性は11%がアルコールを日常的に摂取するのに対して、男性は77%だ。この数字は世界平均である女性が29%、男性が48%という数字と比較し、男性の割合が極端に高い」と述べた。
これに対して、Viet氏は「私たち飲料組合は国民の健康が大事だということは充分に理解しているため、保健省の健康促進活動に対して多額の寄付をしている。我々も国民の健康促進に向けた取り組みはしているのだ」と講演会で述べた。
ただ、保健省はViet氏の発言に対して「ベトナム飲料組合の取り組みはアルコールの摂取をやめさせるための直接的な取り組みではない。また、現在のベトナム国内の平均給与や生活水準に対してアルコールやタバコにかける支出の割合が極端に高い傾向がある」との声明を発表した。
一方でViet氏は「たとえアルコール類の税率をあげても消費量が減るというわけではない。税率が高くなろうとも有名メーカーのアルコール飲料は引き続き売れている。現に2017年には税率が引き上げられたが、アルコール類の総売上高は2億50万ドル(約220億5500万円)となり2016年よりも2900万ドル(約31億90000万円)増加している。」と述べた。
大手飲料メーカーであるHeineken社のアジア太平洋地域支部局長のFrans Eusman氏は「自社にとってベトナムはメキシコについで2番目に大きなマーケットであり、販売制限は厳しい」と述べた。
保健省はアルコール類の摂取による健康被害に着目し、アルコール関係の広告を停止することや、販売時間に制限を設ける法案を政府に提出した。
法案が認可されれば今年の10月頃から施行される予定だ。
マーケット調査を専門としているユーロモニター社の統計によると、2017年のアルコール類総消費量は4億リットルだった。
また、ユーロモニター社は総消費量が2020年までには4億6000万リットル、2022年までには5億リットルにまで増加される見込みだということも発表した。
関連記事
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。