ダナンのチャム彫刻博物館|歴史と文化に触れ、ミーソン遺跡の予習に

ダナンのチャム彫刻博物館|歴史と文化に触れ、ミーソン遺跡の予習に

ダナン市内観光で、ダナンの歴史と文化に触れることができる場所の1つにチャム彫刻博物館があります。

チャム彫刻博物館は、かつてベトナム中部から南部にかけて繁栄したチャンパ王国時代の彫刻や遺物を集めた博物館。

今回は、ミーソン遺跡へ訪れる前の予習にもなる! ダナンのチャム彫刻博物館をご紹介します。

ダナンのチャム彫刻博物館とは?

ダナン,チャム彫刻博物館

ダナンのチャム彫刻博物館は、古代チャンパ王国の遺したコレクションが保管されている博物館です。展示物のほとんどが、ベトナム中部・クアンナム省にある世界遺産 ミーソン遺跡から発掘されたものなのだそう。

ダナン市街地に位置するチャム彫刻博物館は、ピンクの教会として有名なダナン大聖堂や、ベトナムのお土産購入スポットのハン市場などのダナンの人気観光地へのアクセスも良く、ダナン市内観光でおすすめの場所です!

チャム彫刻博物館の歴史

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チャム彫刻博物館の歴史は、今から約100年前にまで遡ります。

 

チャム彫刻博物館の設立が提案されたのは、1902年。

フランス国立極東学院(EFEO)と呼ばれる、東南アジア地域などからインドにかけた諸文明の研究を行なっている、フランス国民教育・青少年省の管轄下の研究機関がチャム彫刻博物館の設立を提案しとされています。

当時、フランス国立極東学院(EFEO)の考古学者だった、アンリ・パルマンティエという人物が主体となって、設立の提案から資金繰りまでを手掛けたそうです。

そこまでしてチャム彫刻博物館を設立したかったワケとは一体どんなものだったのでしょうか? 気になります。

きっと、そこには彼を動かす大きな何かがあったのかもしれません。

 

チャム彫刻博物館はやがて、1915年に、アンリ・パルマンティエをはじめとするフランス国立極東学院(EFEO)の財政支援を受けて設立されました。

1915年の設立時は、「アンリ・パルマンティエ博物館」と名付けられていたそう。

1919年に一般公開される際には、アンリ・パルマンティエに触発されたフランス人デザイナーによって、博物館の建物デザインに伝統的なチャムの要素が付け加えられたと言われています。

そんなおしゃれなエピソードがある博物館だったとは、、、驚きです。

チャンパ王国について

チャム彫刻博物館を語る上で、必ず出てくるワードがチャンパ王国。

チャム? チャンパ? とちょっとややこしく感じるかもしれないので、少しだけご説明します。

 

チャンパ王国とは、2世紀後半(日本では邪馬台国の卑弥呼が擁立された弥生時代後期の頃)から、ダナンが位置するベトナム中部沿岸地域に長きにわたって存在していたとされる、チャム人が築いた王国。

チャンパ王国は、ヒンドゥー教などインド由来の文化を取り入れたほか、その土地柄から海上貿易で繁栄したと言われています。

しかし、現在のカンボジア・シェムリアップ近郊を王都に栄えていたアンコール朝との争いが絶えず、最終的には1832年にグエン王朝(ベトナム最後の王朝)に併合されたそうです。

 おごれる人も久しからず、ですね… 万国共通。

チャム人について

そんなチャンパ王国を築き上げたのが、チャム人です。

チャム人は、ベトナムの南方に位置するインドネシアから北上し、ベトナム中部から南部にかけて独自の文化を有していたとされる民族のことを言います。

チャンパ王国はかつて北方に進出したことがあり、中国文明の影響を受けていたそうですが、その後インド化の波がベトナム中部にも及び、チャム人は次第にヒンドゥー教も信仰するようになったと言われています。

ミーソン遺跡との関係

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チャム彫刻博物館の展示物のほとんどが、ダナン近郊のクアンナム省にある世界遺産 ミーソン遺跡から発掘されたものなのだそう。

ミーソン遺跡とは、チャンパ王国で信仰されていた宗教であるヒンドゥー教シヴァ派の聖域とされている場所です。

ミーソン遺跡の建造物には、セメントや漆喰などの接着剤を使った形跡が無く、チャム人の当時の技術力の高さを物語っています。

チャンパ王国の彫刻師や建築士の多くは山岳民族だったという言い伝えがあり、ミーソン遺跡の周辺に住むカトゥ族は、現在でも有名な木彫職人を輩出しているのだとか。

チャム彫刻博物館では、そんなチャム人の遺産に刻まれた独自の建築技術を間近で見ることができます!

ユネスコにも登録

ミーソン遺跡には、レンガ造りの塔などチャンパ王国が遺した多くの建造物がありますが、中にはベトナム戦争時の爆撃により破壊されてしまい、現在修復作業中の建造物もあります。

その希少さから、ミーソン遺跡は1999年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ベトナム戦争後、ベトナムやポーランドの文化財保護団体が修復作業を進めた際、ミーソン遺跡の石像の一部がチャム彫刻博物館へ移送されたそうです。

チャム彫刻博物館の場所

チャム彫刻博物館は、ダナン市街地の中心部に位置しています。

周辺には、ピンクの教会として有名なダナン大聖堂や、ベトナムならではのお土産を購入できるハン市場、巨大な龍があしらわれたロン橋などの人気観光地があります! 

これらの観光地と併せてチャム彫刻博物館に訪れても良いかもしれませんね! 

 

チャム彫刻博物館の営業時間

  • 7:00〜17:00(基本的に年中無休)

チャム彫刻博物館の入場料

  • 6万ドン(約300円)

チャム彫刻博物館の所要時間

  • サクッと見学する場合:約1時間
  • じっくり見学する場合:約1時間半~2時間

チャム彫刻博物館の行き方

チャム彫刻博物館はダナン市街地にあるため、あらゆる場所からアクセスしやすいかと思います。
市内のホテルから徒歩で行くか、タクシーやGrab(グラブ)で訪れると良いでしょう。

市街地から

  • 徒歩:約10分

ビーチ沿いから

  • タクシー:約10分

空港から

  • タクシー:約10分

 

チャム彫刻博物館の見どころ

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チャム彫刻博物館には、多くのチャンパ王国のコレクションが保管されていますが、中でもおすすめの展示物をご紹介します。

チャム彫刻博物館のヒンドゥー教の神々

チャンパ王国はヒンドゥー教を信仰していたというだけあって、その影響が反映された石像が展示されています。

ヒンドゥー教では、三神一体論と呼ばれる教義が唱えられます。三位一体論では、本来は一体である最高神が、3つの役割「創造、維持、破壊」に応じて、それぞれ3大神「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ」として存在すると考えられています。

チャム彫刻博物館では、この3大神の石像をガラスのショーケース無しで見学できてしまいます!

 

創造の神 ブラフマー

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ブラフマー(写真上)は、世界の創造と破壊の後の再創造とを司るとされている神様です。

ヴェーダと呼ばれるヒンドゥー教の聖典を象徴する4つの顔と4本の腕を持ち、水鳥に乗った赤い肌の男性の姿で表されています。

手にはそれぞれ、数珠、聖典ヴェーダ、小さい壷、笏(しゃく)を持っています。

 

維持の神 ヴィシュヌ

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ヴィシュヌは、世界の維持・繁栄を司る神様です。

ブラフマー同様に、4本の腕を持ち、右側には円盤とこん棒を、左側にはホラガイと蓮の華を持っていると言われています。

ヒンドゥー教では、動物や英雄たちがヴィシュヌの化身とされ、多くの人々の支持を集めているそうです。よく、牛などの動物たちがインドの町中を歩いている姿をテレビで見かけますが、これは動物がヴィシュヌの化身と考えられているからでしょうか? 気になります。

 

破壊の神 シヴァ

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破壊の神であるシヴァ。みなさんも一度聞いたことのある名前ではないでしょうか? 

シヴァは、世界の寿命が尽きた時、一旦世界を破壊し、次回の世界創造に備える役目を果たす神様です。ヒンドゥー教には輪廻転生の宗教観念があるため、このような破壊と創造の思想に基づいた世界観があるのでしょう。

シヴァの両目の間には第3の目があり、怒った時には激しい炎が出て、全てを焼き尽くすのだそう。

長い髪の毛を頭の上で巻き、三日月の髪飾りをつけています。お洒落ですね! そんなシヴァは普段、ナンディンと呼ばれる牛に乗っているそうです。

リンガとヨニ

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リンガとヨニは男女の性器を表すとされ、子孫繁栄の意味を持ち信仰の対象となっているそうです。 

チャム彫刻博物館で買えるお土産

2階建て構造になっているチャム彫刻博物館の1階には、お土産コーナーがあります。

ヒンドゥー教関連の木彫りや石彫りの像が販売されているので、興味があれば購入してみてはいかがでしょうか。

チャム彫刻博物館の周辺観光地

チャム彫刻博物館の周辺には、ダナン市内観光で人気の場所が徒歩圏内にあります!

ダナン大聖堂

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ダナン大聖堂は、チャム彫刻博物館から徒歩約10分の場所にあります。インスタ映えする写真が撮れると話題のピンクの教会です! 

 

ハン市場

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ハン市場は、チャム彫刻博物館から徒歩約15分で訪れることができます。ローカル感を味わいながら、アオザイやカゴバッグなどベトナムならではのお土産を購入することができる人気観光地です! 

 

ロン橋(ドラゴンブリッジ)

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チャム彫刻博物館のすぐ近く、徒歩約3分の場所にあるのがロン橋(ドラゴンブリッジ)です。ロン橋(ドラゴンブリッジ)は、黄色い龍がモチーフとなっている全長666mの巨大な橋です! その見た目や火を噴くショーなどで人気です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、ダナンの歴史と文化に触れることができる、チャム彫刻博物館についてご紹介しました。

チャム彫刻博物館は、ダナン市内観光の1つとして訪れてみても良いですし、ミーゾン遺跡へ行く前の予習として訪れるのも良い場所ですね!

チャム彫刻博物館で、ダナンについて深掘りしてみてはいかがでしょうか。

詳細情報

 

※この記事に記載されている情報は2020年8月のものです。本記事に記載されている情報は予告なしに変更される場合がございますが、ご了承ください。


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