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海外でも問題視される技能実習生の妊娠問題 中絶や退職の圧力も
〈写真:Tuoi Tre〉
日本の技能実習生制度で在留するある実習生は、上司に妊娠していることを告げると、まず中絶を勧められ、その後退職するよう圧力をかけられたという。
活動家によると、これは日本の労働力不足を補うために行われている問題のある「技能実習制度」プログラムでの、弱い立場の労働者が直面している虐待の一例である。
昨年、中国やベトナムを含む国々から労働者約27万5000人を受け入れたこのプログラムは、参加者に母国で役立つ専門的な経験を積ませることを目的としている。
高齢化が進み、移民労働者の数が少ない日本では貴重な労働力源だが、この制度には差別や身体的虐待の疑惑がつきまとっている。
また、女性の技能実習生は、妊娠をきっかけに特有の圧力に直面することがある。
フィリピン人実習生のVさんは、福岡県南部にある介護施設で働いていたときに妊娠が発覚し、出産後に仕事に復帰することを希望していた。
しかし、このフィリピン人女性は上司から中絶を迫られ、それを拒否すると、強制的に辞めさせられたという。
日本の厚生労働省によると、2017年〜2020年の間に637人の技能実習生が妊娠・出産を理由に辞めており、そのうち47人はプログラムの継続を希望している。
しかし、擁護派によれば、それは「氷山の一角」である可能性が高く、他にどれだけの人が妊娠を回避または終了するよう圧力をかけられてきたかを把握する統計はない。
上智大学の田中雅子教授(移民女性のリプロダクティブ・ライツ)は、「技能実習生の多くは生殖年齢に達しているが、現制度では日本滞在中に妊娠することは問題外だと考えられている。」と語る。
技能実習生は、妊娠を理由とする嫌がらせや差別を禁止する日本の法律の適用を受ける。
しかし、「マタニティ・ハラスメント」は日本人女性にとって依然として問題であり、外国人技能実習生はさらに弱い立場に置かれることが多い。
2019年に妊娠に基づく差別が報告されたことを受け、日本の入国管理局は雇用主に対し、実習生の権利について注意を促した。
入国管理局の担当者は、世界三大通信社のひとつであるAFP通信に対し、「技能実習生が人間として妊娠・出産することは十分にあり得ることであり、そのことで不利益な扱いを受けることがあってはならないと理解している」と述べている。
技能実習生の代理人を務める石黒大貴弁護士は、雇用主が技能実習生を交換可能な安価な労働力と考えることはよくあるという。
同弁護士は、「雇用主によっては、(妊娠のために)余計な負担をかけるよりも、彼らを帰国させて、まったく新しい研修生と交代させる方が簡単な場合もあると考えている」と語る。
採用費用の借金や家族への仕送りなど、経済的なプレッシャーも実習生に重くのしかかっている。
日本南部の熊本の農場で働くベトナム人労働者で、2020年7月に妊娠が判明したLさんがその一例である。
Lさんの代理人の石黒弁護士によると、彼女は、妊娠のことで強制送還されれば、故郷の家族が「経済的困難に陥る」ことを恐れていたという。
Lさんは雇用主に妊娠を隠し、中絶を希望した。
しかし、日本では中絶薬は認可されておらず、手術による中絶は通常10万円以上かかるため、実習生の中には、費用を心配したクリニックがその処置を雇用主に明かすことを恐れ、無許可の中絶薬を求める実習生も少なくないという。
これは非常に危険な行為で、堕胎罪に問われる可能性がある。
Lさんは7月に妊娠が発覚した後、すぐにインターネットで入手した中絶薬を服用したが、効果はなかった。
次第に雇用主は妊娠を疑い始め、もし出産して子供を育てたら「大変なことになる」とLさんに警告したという。
11月、彼女は自宅で一人、双子の男の子を死産した。
出産の痛みと死産のショックの中、Lさんは、2人をタオルにくるんで段ボール箱に入れ、「安らかに眠って」と書いたメモを部屋に置いた。
翌日、医師に死産について話したことをきっかけに、Lさんは死体遺棄の疑いで逮捕され、1月に死体遺棄の罪で懲役3ヶ月、執行猶予2年の判決を受けた。
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