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増加する在日ベトナム人の犯罪、専門家が実習制度の課題を指摘
<写真:VN Express>
日本で犯罪を犯すベトナム人実習生の数が増加傾向にあり、専門家はそうした実態の背景にあるベトナム人実習生が抱く「理想と現実」の乖離、実習制度の課題を指摘する。
大学2年生のトゥエンさんが地下鉄霞ヶ関駅近くの飲食店で食事をしていると、後から入ってきた日本人に「お前ら外国人は違法行為ばかりしているから、国に帰れ。ここにいる資格はない」と罵倒された。
トゥエンさんは恥ずかしい気持ちもあったが、それよりも非常に悲しい気持ちになったという。
日本のメディアが鶏肉や果物の盗難のニュースを取り上げると、犯人が見つかっていない場合にはソーシャルメディア上で「犯人はグエン」という書き込みが行われる。そして、あながち間違いではない状況になってしまっている。
入国管理局によると、日本に住むベトナム人は約43万3000人で在日外国人全体の15.7%を占めている。また、日本の公安調査庁が6月に行った発表では在日ベトナム人による犯罪が在日外国人犯罪の中で最も多いことが明らかになっている。
日本アセアンセンターで働く東京在住歴10年のアインさんによると、この問題は根深く、実習生制度や移民労働者が抱く非現実的な期待に関係している。
国際協力機構のデータによると、2021年6月までに日本にいるベトナム人技能実習生は約20万2000人で全体の63.8%を占めている。
日経新聞の調査では、実習生の8割が来日するために平均67万4000円の借金をしなければならないことが明らかになった。
アインさんは「こうした実習生の中には来日した後に現実の生活と借金に失望し、犯罪に手を染める者も多い」と話す。
近年、日本で犯罪を犯すベトナム人の数は増加傾向にあり、2020年にはベトナム人実習生が犯罪を犯すケースが前年比60%増の約600件であった。また、外国人が関与する窃盗の60%、乱闘の35%にベトナム人が関与しているという。
東京にある外国人支援会社の担当者は、こうした状況に対して外国人実習生の採用プロセスが十分でないと指摘する。
同担当者によると、ベトナム人実習生の多くは見通しが悪く、教育も控えめな肉体労働者であることが多く、日本に来るために莫大な借金をしたが給料は低く困窮している。
アインさんは「企業は収入について透明性を保ち、ベトナム人実習生が適切な技能と言語能力を身につけるための訓練を提供すべきである。こうした取り組みがベトナム人実習生の犯罪を減らすのに役立つだろう」と述べている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。