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日本のベトナム人実習生、帰国後の就職率は約25%
<写真:VnExpress>
日本から帰国したベトナム人実習生の26.7%しか直ぐに就職できておらず、その率はタイやフィリピンの実習生の半分であることが明らかになった。
国際協力機構(JICA)が発表したベトナムの産業人材育成に関する報告書によると、2021年6月時点でベトナム人技能実習生約20万2000人が日本に滞在しており、その多くは建設や農業、サービス、情報技術などの分野で働いている。
日本におけるベトナム人実習生の数は2017年以降に多くの分野で急速に増加しており、最も高い増加率を記録したのは建設業で9倍になっている。
しかし、帰国後すぐに就職できるベトナム人実習生の割合は26.7%にとどまっており、ベトナムと周辺諸国を比較すると域内で最も低い数字である。
中国やタイ、フィリピンでは50%を超えている。
帰国者の多くが日本での実習経験ではなく、日本語を活かして物販や外国語講師、労働者輸出コンサルタントなどに就いている。
同報告書はこの状況に対して、技能移転というプログラム本来の目的を果たせない「人材の浪費」として指摘する。
JICAが在越日系企業341社と40社以上の雇用主を対象に行った調査では、日本からベトナムに帰国した多くの実習生が「職務経験が不適合」として就職困難に陥っていることが判明した。
実際にベトナムの現地労働者と比較すると、帰国した実習生には十分な実務経験がなく、強みは日本語能力だけであることが多い。また、中学や高校を卒業して直ぐに実習生になり、日本で訓練された特定の業務しかできないというケースもあるという。
他には帰国後の給与の低さも就職を阻む一因となっている。
日本滞在中の給与は月1000〜1500ドル(約13万8730〜20万8090円)で、これはベトナムの工場で働く新入社員の3〜4倍である。
また、23%の雇用主が「日本から帰国した研修生を採用するためのルートがない」と回答している。
1993年に日本は途上国への技能や技術、知識の移転支援を目的として技能実習制度を制定した。
現在、日本25万人、台湾23万人、韓国4万人を含む50の国や地域で60万人以上のベトナム人が働いている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。