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学校のトイレ不足、ベトナムでは210人以上で1つのトイレを共有

2022年09月13日(火)10時39分 公開
学校のトイレ不足、ベトナムでは210人以上で1つのトイレを共有

<写真:tuoi tre>

 

ベトナム教育訓練省の報告によると、同国では生徒210人に対してトイレ1つしか提供できていない学校もあり、生徒が自由に学校のトイレを使用することができない状況である。

 

特にベトナム北部山岳地帯ではトイレの建設を慈善事業や民間資金のみに頼っている地域もあり、教育施設でのトイレ不足が顕著なものとなっている。

 

ハノイ市では9月からの2022-23年度初めには学校が2800校以上あり、生徒220万人以上が在籍している。

 

同市ドンダー区のある学校では通学時間帯や5分間の休憩時間にはトイレが全て満室となり、子どもは常にトイレの順番を待たなければならない。

 

ベトナムの基準では教育施設には男子30人、女子20人につき1つの男子用便器、1つのトイレ、1つの洗面台が設置されている必要があるが、同市の多くの学校では男子トイレと女子トイレが各階に1つずつしか設置されていない。

 

同市内の学校では1フロアに10教室、50〜55人の生徒がいるのが普通の状態である。生徒1500〜2000人が通う学校でもトイレは6〜7つしかなく、1つのトイレに生徒210人がいる計算になる。

 

また、ベトナムの学校のトイレの約30%は規格外の劣化した状態となっており、首都であるハノイ市でさえも国の基準を満たしたトイレを持つ学校は全体の約80%に過ぎない。

 

基準外の設備且つトイレの数が少ないという状況によって施設の劣化が早く、悪循環に陥っている。また、維持補修や定期清掃の予算は確保されていない。

 

こうした学校に通う生徒は用を足してもトイレが壊れているために水を流すことができず、石鹸や水道水もないために手を洗うこともできない。学校によっては野外排水を利用した簡易トイレしかなく、ゴミや糞尿であふれかえっていることもある。

 

過去2年間でハノイ市ハドン区やタインスアン区、コウザイ区などのいくつかの地区では、地区の資金を使って学校のトイレを管理する民間サービスを雇っている。しかし、トイレ設備の維持管理や小規模な修理、衛生管理には役立っているが、過密状態の問題を解決するには至っていない。

 

一方で、ホーチミン市教育局によると、同市内の大部分の学校のトイレは基準を満たしており、生徒たちは自由にトイレを使用することが可能である。

 

例として、同市10区にあるLe Dinh Chinh小学校では生徒たちに質の高いトイレを提供している。

 

同校は生徒700人が在籍しており、3階建ての校舎の各階に男子用と女子用にそれぞれ10個のトイレと10個の洗面台が設置されている。トイレの外には動物の絵が描かれ、トイレ内は無臭で清潔に保たれている。

 

同校のフイン・ティ・タオ校長によると、同校は毎年許された予算の範囲内でトイレを改修している。また、生徒に対して日々の掃除の重要性を強調し、トイレを清潔に保つように指導しているという。

 

同校には共用トイレの他に女子生徒が生理の際に使用する専用のトイレも設置されている。

 

ホーチミン市にはハノイ市の生徒のようにトイレを使用することを嫌がったり、怖がったりする生徒は少ないという。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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