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ベトナムの年金制度と定年引き上げ、多くが社会保険脱退を選択

2023年04月11日(火)15時21分 公開
ベトナムの年金制度と定年引き上げ、多くが社会保険脱退を選択

<写真:VnExpress>

 

ベトナムの年金制度は社会保険料を完納した場合でも定年まで就業しなければ最高額を受給することができず、政府による定年引き上げに伴って社会保険を脱退する労働者も増加しており、各労働組合が法改正を要求している。

 

同国では2021年以前の定年は女性が55歳、男性が60歳であったが、政府が定年を徐々に引き上げており、今後10年程度で女性は60歳、男性は62歳に達する予定である。

 

男性であれば35年以上、女性であれば30年以上にわたって社会保険料を納めて定年で退職した場合、最終的な給与額の75%という年金率を受けることが可能となる。

 

多くの高齢者が経済的に安心した老後を迎えるために、社会保険料を完納した後も最高額の年金を得るために何年も働かなければならない状態にある。

 

ハノイ市ロンビエン区の縫製工場で34年間勤務するハウさん(54)は、長年の座り仕事による背中や首、関節の痛みから何度も退職を検討したが、少ない年金と子供たちに依存する可能性を恐れて退職を踏み留まっている。

 

同市労働組合は一定年数の保険料支払いが完了していれば早期退職者であっても、75%の年金受給が可能になる法改正を提案している。

 

ハウさんは定年となる62歳まで後8年働く必要があるが、同提案が承認されることを期待し、就業を継続しているという。

 

同市ドンダー区の役所に勤めるハーさん(53)は定年まで3年以上、30年分の社会保険料を支払うまで4カ月あるが、今年末で退職する予定である。

 

多くの人が仕事の継続を勧めているが、ハーさんは日々日々何百もの小さな仕事をこなすことに疲弊しており、2027年の定年を諦めて67%の年金を受給するという。

 

労働・傷病兵・社会問題省によると、2016年〜21年に掛けて労働者66万1000人以上が退職しており、そのうち最高率の受給資格があるのは66%だけである。

 

2016〜20年には毎年約75万人が社会保険制度からの脱却と一時金の支給を選択した。退職後には僅かな年金しかもらえず、無料の健康保険も失うことを受け入れたことになる。

 

こうした労働者の大半は26~29歳の人々で1年間の失業状態にあり、男性が44.4%、女性が55.6%となっている。

 

労働者・労働組合研究所のファム・トゥ・ラン副所長によると、定年退職年齢の引き上げが社会保険脱退者増加の原因となっており、早期退職でも最高額の年金受給を可能にすれば社会保険の脱退傾向を抑制することが可能である。

 

多くの地方で労働組合がハノイ市と同様の要求をしており、地元メディアが6770人を対象に行った調査では、95%が同提案に同意していることが明らかになっている。

 

社会保険法の改正に取り組むベトナム社会保険機関(VSS)のグエン・ユイ・クオン副代表によると、VSSは同提案を検討しており、改正案は労働・傷病兵・社会問題省に提出した後に政府や国会に提出される。

 

ベトナムでは今年1月時点で労働者の38%に過ぎない1720万人が社会保険に加入している。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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