多くの風力発電事業者、債券金利の高騰により赤字転落

2023年05月16日(火)10時22分 公開
多くの風力発電事業者、債券金利の高騰により赤字転落

<写真:VnExpress>

 

ベトナムの風力発電業界では金利が高騰した社債を発行して資金を調達し、損失を被っている企業が増加傾向にある。

 

一部企業は固定価格買取制度(FIT)が適用されず、二重の痛手になっているという。

 

FITは市場価格を上回る価格を保証することで再生可能エネルギーの生産を支援する政策であり、適用を受けるためには2020年12月31日までに発電所が商業運転を開始する必要があった。

 

中には自己資本5〜6倍の負債を抱える大損害を被った企業もある。

 

ハノイ証券取引所によると、赤字プロジェクトの多くは数年前に風力発電ブームが起きた中央高原と沿岸部からなる中南部地域にあるという。

 

ダクラク省にある国内最大の風力発電所を運営するTrung Nam Dak Lak 1社は、2021年にわずかな利益を上げた後、昨年は8600億ドン(約49億8500万円)の損失を計上した。

 

多くの他企業も数十億ドンの損失を抱えている。

 

損失を抱えた企業に共通するのは、当初年9~10.75%の高金利で、その後変動金利で多額の債券を発行したことである。

 

最大の赤字企業であるTrung Nam Dak Lak 1社は、社債9兆9000億ドン(約573億8800万円)を含む12兆1000億ドン(約701億4200万円)の自己資本4倍となる負債を抱えており、昨年には1兆1400億ドン(約66億800万円)相当の債券を償還した。

 

昨年に変動金利が高騰した後、企業各社は数千億ドンの追加出費を余儀なくされている。

 

アナリストは「FITの資格を得たプロジェクトであっても、電力料金は20年間固定であるのに対し、債券は変動金利であるため、急騰して損失を出す可能性がある」と当初からこの点を警告していた。

 

2020年までに商業運転を開始できず、FITの対象外となったプロジェクトのリスクはさらに高くなる。

 

再生可能エネルギー電気の新価格は従来よりも2~3割安い。

 

予定より遅延している再生可能エネルギープロジェクトは84件、総容量4676MWで、そのうち風力発電が28件、太陽光発電が6件、容量2091MWが試験段階である。

 

まだ稼働していない風力発電と太陽光発電プロジェクトの投資家23人が、政府に対して価格の引き下げを懸念する声を上げている。

 

ACB証券は試験段階にある34のプロジェクトについて、修理やメンテナンスなどの費用や価格のずれ、税金、インフレを除くと、10兆ドン(約579億6900万円)の利子と元本費用が発生し、年間1兆ドン(約57億9700万円)のマイナスキャッシュフローになると試算する。

 

 

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