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精神疾患が1400万人に到達、ホーチミンでは約1割がうつ病
<写真:iStock>
世界保健機関(WHO)ベトナム事務所のライ・ドク・チュオン代表は、28日にホーチミン市で開催されたセミナーで講演し、ベトナム人口の最大14.1%である約1400万人が精神疾患を患っていることを明らかにした。
現在、ベトナムでは約1000人の医師が精神疾患の治療を専門としており、医師の大部分は中央レベルの病院や大都市の医療施設に所属している。
ベトナムでは精神疾患患者のケアが依然として限られており、精神医療サービスを提供する地区レベルの病院はほぼ無いに等しい。
治療方法は精神療法ではなく、薬物療法が行われるのが一般的である。
また、ベトナムには公的なメンタルヘルスに利用できる持続可能な財源は存在しない。
ベトナム国民にメンタルヘルスケアを提供するという課題は、仕事のプレッシャー、経済的不平等、アルコール消費量の増加との相関関係において、今後更に増大することが予想されている。
特に低所得のベトナム人の間ではメンタルヘルスの問題に対する認識が低いため、精神疾患を患っている人に対する差別も生じており、多くの人が自身のメンタルヘルス問題を隠すようになっているという。
同代表は予防的な治療とメンタルヘルスに関する研究に重点を置くべきであるとして、保健当局に対してメンタルヘルスケアサービスを十分に提供し、サービスをより広範な医療システムに統合するように提案した。
ホーチミン市では65歳以上の住民の7.8~9.7%が認知症に罹患しており、認知症は高齢者の間で最も一般的な精神衛生問題である。
同市精神病院のチャン・ドゥイ・タム医師によると、他国では高齢者人口の0.78%しか認知症患者はいないという。
また、ベトナムでは全人口に対するうつ病の割合が2.47%であるが、同市ではその割合が9.5%まで上昇する。
同市の精神科病院と21の小規模クリニック、321の医療ステーションは現在、1万人の統合失調症患者と7000人のてんかん患者を治療している。
タム医師によると、ホームレスの精神疾患患者や家族も身分証明書もない3000人以上の患者が、同市労働・傷病兵・社会問題局が運営する医療ステーションで治療を受けている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。