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ハノイのオフィス市場、撤退企業の増加で稼働率低下
<写真:Tuoi Tre>
不動産コンサルタント会社Savills Vietnamの専門家によると、今年上半期におけるハノイ市のオフィススペース市場は、企業の大量撤退や財務上の圧力といった課題に直面している。
多くのテナントが今年に入ってからの景気後退による影響を受け、オフィススペースの賃借予算見直しやリース期間満了前の返却を余儀なくされた。
同社の統計によると、今年第2四半期におけるハノイ市のオフィススペース供給量は214万㎡で、AグレードとCグレードの2つのプロジェクトが社内使用のために閉鎖された影響で、前四半期比2%減、前年同期比1%減となった。
同市のオフィス市場は賃料と稼働率の面でも変化が見られ、今年に入ってからの7ヵ月間は新規設立企業の数が減少し、撤退する企業が急増した。多くの企業が経営難に陥り、ハノイ市のオフィス稼働率に大きな影響を与えている。
新規賃貸面積は今年1月〜6月にかけて、前年同期比で3万3400㎡減少し、中でもBグレードの減少面積はマイナス2万6500㎡と最も大きかった。
Savills Hanoiの商業リース担当シニアディレクターであるホアン・グエット・ミン氏によると、オフィス市場の稼働率低下の背景には2つの理由がある。
第一に1㎡あたり40ドル(約5800円)以上のオフィス賃料を支払うテナントの数が減少し、テナントはより手頃な価格のリースを好むようになっている。第二にハイテク新興企業を中心とする東南アジア全域のICT企業は新型コロナウイルスの流行期と2022年には堅調な業績を上げていたが、現在は減速が続いている。
実際にハノイ市では、多くのICT企業がオフィスの賃貸契約を早期に解消した。ICT企業は2021年〜22年にかけて、オフィススペースの需要で主導権を握っていたが、景気減速によってファンドが新興企業への投資を減らしたため、2023年にその需要は落ち込み始めた。
ICT企業は賃貸スペースを縮小か早期に返却せざるを得なくなり、全体の32%を占めていた取引件数は今年になって半減している。
2023年に入ってからはオフィス・スペース取引の大半が製造業に関連したもので、次は語学センターやコンピューター・トレーニング・センター、海外大学の駐在員事務所といった教育機関によるものであるという。
オフィス市場では今年中にコンサルティング会社、金融会社、法律事務所に関連する大規模な取引が行われることが予想されており、200~500㎡のオフィススペースを必要とする可能性がある。
多くの家主は競争力を維持して入居率を維持するため、賃料を下げてプロモーションを強化しており、テナントは賃貸オプションにアクセスする際にコストを優先し、同グレード内でより手頃な価格のビルを選好している。
現在のオフィス市場では1㎡当たり20~35ドル(約2900〜5000円)の賃料帯の賃貸ビルが、1㎡当たり40~50ドル(約5800〜7200円)の賃貸ビルよりも入居率が高い。
ハノイ市では2023年末までにオフィス賃料と稼働率が改善すると予測されている。新規オフィスストックは約8万279㎡に達する可能性があり、ロッテモールプロジェクトが38%を占める。
ベトナム統計総局のデータによると、今年1~7月の間に全国で前年同期比19.3%増の6万6800社が一時的に営業を停止、同28%増の3万6000社が解散手続き中、同0.6%増の1万400社が解散手続きを完了している。
ハノイ市では前年比29%増となる1万6900の企業が営業を停止または解散し、過去最高を記録した。また、新たに設立された企業や事業を再開した企業は、2020年上半期以来初めての減少となった。
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