砂糖飲料愛好がもたらす健康リスク、ベトナム人の病気の危険性

2024年07月01日(月)07時00分 公開
砂糖飲料愛好がもたらす健康リスク、ベトナム人の病気の危険性

<写真:tuoitre.vn>

 

ベトナムでは1人当たり平均して毎週1リットルの砂糖飲料を消費している。これは非常に高い数値であり、過剰な砂糖飲料の消費は、肥満、2型糖尿病、心血管疾患など多くの病気のリスクを高める。

 

24日に国立栄養研究所が開催した砂糖飲料の害とその制御に関する政策の推奨についての科学セミナーで、同研究所のチュオン・トゥエット・マイ医師が見解を示した。

 

マイ医師によると、ベトナムでは過去10年間で砂糖飲料の消費が急増しており、消費量が非常に高いものとなっている。

 

世界保健機関(WHO)の推奨では、糖や食品・飲料に添加されたあらゆる種類の砂糖の消費を、総エネルギーの10%未満、理想的には5%未満に制限する必要がある。これは平均的な成人に対して1日約25gの砂糖を意味する。

 

WHOによれば、330mlの砂糖飲料には通常約35gの砂糖が含まれ、約140kcalのエネルギーを供給するが、他の栄養価はほぼない。

 

砂糖飲料は「炭酸飲料や非炭酸飲料、液体や濃縮ジュース、粉末ジュース、風味付き飲料、エナジードリンクやスポーツドリンク、缶入り紅茶、レディートゥドリンクコーヒー、砂糖添加ミルクを含むあらゆる飲料」と定義されている。

 

過剰な砂糖飲料の消費は、肥満、2型糖尿病、代謝障害、心血管疾患、腎臓病、脳卒中、虫歯、痛風などのリスクを高めるという。

 

17の研究を対象としたシステマティックレビューとメタアナリシスによると、砂糖飲料の高摂取は2型糖尿病のリスクを1.51倍に増加させることが示されている。

 

米国で約20万人を対象とした3つのコホート研究のデータ解析によれば、4年間で1日177ml以上の砂糖飲料の消費増加は、次の4年間で糖尿病のリスクを16%増加させることが示されている。

 

また、355mlの砂糖飲料を他の飲料に置き換えると、糖尿病のリスクが2〜10%減少する。

 

砂糖飲料の消費は、心血管疾患の発生率の9.3%に関連している可能性がある。米国で10万6000人の教師を対象とした研究では、1日355ml以上の砂糖飲料の消費が心血管疾患、血管再生術、脳卒中と関連していることが示された。

 

砂糖飲料の消費抑制政策について、保健省の戦略政策研究所のホアン・ティ・ミー・ハイン氏によると、現在のベトナムには砂糖飲料の消費を減少させるための政策がない。

 

ハイン氏は、砂糖飲料に特別消費税を課すことが必要であると提言している。また、同氏は国民の理解を深めるための広報活動、母親と生徒への栄養教育、子供向けの広告やマーケティングの規制、学校での不健康な製品の販売の制限などの政策を提案した。

 

WHOのベトナム担当専門家であるグエン・トゥアン・ラム医師によると、現在、110カ国以上が砂糖飲料に税を課しており、税率を20%引き上げることで消費量が約20%減少するという証拠がある。

 

例えばメキシコでは、砂糖飲料への税を導入して2年後、最も資源の少ない家庭での砂糖飲料の購入が11.7%減少し、一般の家庭でも7.6%減少した。また、南アフリカでは約12%の税率で消費量が約15%減少した。

 

ラム医師は「ベトナムは未来の世代の健康リスクを減らすため、WHOの推奨に従って小売価格の20%に相当する税率を砂糖飲料に適用することを検討すべきである。また、砂糖含有量に応じた課税を検討し、砂糖を減らした製品を奨励すべきである」と述べている。

 

さらに砂糖飲料の消費を減らすための環境を整備し、前面ラベルに砂糖含有量を表示する規制や、健康的な飲料の選択肢についての認識を高める活動を推進すべきであるという。

 

 

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