おすすめのプロモーション
Loading...
Loading...
Loading...

ベトナムの「未富先老」課題、急速な高齢化に直面

2024年12月16日(月)07時00分 公開
ベトナムの「未富先老」課題、急速な高齢化に直面

<写真:tuoitre.vn>

 

ベトナムでは1人当たりの平均所得が依然として低水準にある一方で、60歳以上の人口割合が急速に増加しており、「未富先老(まだ豊かになる前に老いる)」と呼ばれる現象が深刻化している。

 

ホーチミン市保健局と同市開発研究所が11日に共催した「高齢化とその対応策に関する科学会議」では、この問題が緊急課題として取り上げられた。

 

ベトナムは2011年に60歳以上が人口の10%を超える高齢化社会に突入し、2021年には12.8%に達した。

 

さらに、2036年には高齢社会に移行すると予測されている。一方で、一人当たりGDPは1万ドル(約152万3900円)に満たず、国際基準で低所得国に分類されている。

 

この所得水準のまま高齢化が進むことは、医療や社会保障制度に大きな負担をもたらす。

 

ホーチミン市医薬大学の老年医学科責任者であるグエン・バン・タン准教授によれば、1994年に65.5歳であった平均寿命は2023年には79.2歳に達した。

 

しかし、長寿化に伴って14年間にわたる病気との共存が必要とされており、心疾患や代謝障害を含む慢性疾患が増加している。これにより、医療費の負担が増加しているが、年金受給者は30%に満たない。

 

慢性疾患の増加に伴って失明や聴覚障害、慢性的な痛みによる生活の質の低下が指摘されている。また、高齢者の医療費は子どもの7~8倍に達し、特に地方部や小規模家族では経済的負担が深刻である。

 

会議で提言された主な政策には、高齢者を対象とした包括的な医療体制の構築が含まれる。特に地域医療機関の強化や年次健康診断の実施、電子健康記録の導入などが重要視された。

 

また、介護施設や高齢者向けサービスの整備に向けた民間投資の促進が必要とされている。

 

人口構造の均衡を保つため、出生率の適正化も求められている。経済的負担を軽減するための保険制度の拡充や、高度医療技術に対応可能な費用補助の仕組みも不可欠である。

 

会議では日本の「シルバー経済」モデルが取り上げられた。日本は高齢者を対象とした専用サービスや製品の開発、地域コミュニティでの支援体制を整備することで、高齢者の社会的孤立を防ぎつつ独立した生活を支援している。

 

これらの取り組みは医療負担を軽減し、高齢者の精神的・身体的健康を向上させる効果があるとされる。

 

また、健康で活力のある高齢者を地域活動や職場で再活用することも提案されており、労働力としての価値を再評価することが求められている。

 

ベトナムにおける急速な高齢化は、社会全体で取り組むべき喫緊の課題である。

 

効果的な政策と社会資源の活用により、高齢化の負担を軽減し、持続可能な社会を築くための道筋を模索することが求められている。

 

 

[© poste-vn.com 2012-2025 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


行きたいお店を見つける
Loading...
Loading...
Loading...
ホーム ニュース 生活情報 お店探し 掲示板