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高齢化が進むベトナム、高齢者の60%が不健康
<写真:vneconomy.vn>
ベトナム人の平均寿命が長寿となってきているが、健康状態に関しては良好とは言えない状況が浮き彫りになっている。
ベトナム人は平均で14年間、複数の持病を抱えたまま生活しており、3〜6つの病気に同時に苦しむ人が多いという。
この現状は10月4日に開催された第5回全国老年学会議において、中央老年病院のグエン・チュン・アイン院長が明らかにしたものである。
ベトナムは世界で最も高齢化が進む国の1つであり、フランスが115年、オーストラリアが73年かけて達成した高齢化社会への移行を、ベトナムは数十年で迎えつつある。
現在、ベトナムの平均寿命は73歳で、WHOの統計によれば、男性の平均寿命は東南アジアで5位、女性は2位であるという。
しかし、病気を抱えて生活する年数が長いことが課題となっている。
特に高齢者の60%が「健康が悪い」または「非常に悪い」とされており、主な持病としては代謝異常、骨・関節疾患、心疾患、神経系障害、呼吸器疾患、消化器疾患、高血圧、糖尿病などが挙げられる。
これに伴い、医療機関の人手不足や設備不足が深刻化し、病院の過密状態が続いている。さらに、高齢者の医療費は増加しており、国家の医療保険制度や予算にも大きな圧力をかけている。
また、70%以上の高齢者が年金を持たず、子供に依存して生活している現状がある。高齢者の65%以上は農村部に住み、農業に従事しているため、安定した収入を得られない状況が続いている。
このため、ベトナムは「高齢化したが豊かではない」社会に直面しているという。
こうした課題に対処するため、アイン委員長は、長期的なケア体制の構築や包括的な支援を行い、高齢者の生活の質を向上させる必要性を強調している。
医療従事者の養成や、認知症、パーキンソン病、心血管疾患、運動器疾患などの専門的な治療を強化するための取り組みが急務であるとされる。
さらに、食生活の見直しや適度な運動、必要なサプリメントの摂取、定期的な健康診断と服薬の管理も推奨されており、これらの取り組みが高齢者の健康を支える重要な要素となっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。