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ベトナムで麻疹感染が再拡大、予防接種率の低下が引き金

<写真:baobacninh.com.vn>
ベトナム全土で麻疹(はしか)の感染が再び拡大している。
はしかは5年周期で流行する傾向があり、さらに新型コロナウイルス感染症の影響によって予防接種率が低下したことが、今回の流行を助長している。
元予防医療局長のチャン・ダック・フー准教授は12日、はしかの流行が2014年、2019年に続き、2025年も周期的に再発していることを指摘した。
予防接種を受けていない子どもが年々増加しており、これにより集団内の感染リスクが高まっているという。
実際、ハノイ市では2025年に入ってから745件の感染が確認されており、前年同期のゼロ件と比較して大幅な増加となっている。
ホーチミン市では2024年8月に流行が宣言され、現在も感染者が継続的に報告されている。
ホーチミン市内の累計感染者数は7600人を超えており、1〜4歳および10〜14歳の子どもが主な感染層である。
感染拡大は他の地方にも波及しており、クアンナム省では2人の子どもが死亡するという痛ましい事例も報告された。これを受け、保健当局は警戒を強めている。
保健省の報告によれば、感染者の大半がワクチン未接種、または接種が不完全であり、その結果として集団免疫のレベルが著しく低下している。
新型コロナ禍において発生したワクチン供給の遅延が予防接種の遅れを招き、多くの子どもが免疫を持たない状態にある。
ホーチミン市では、生後6か月からの乳児を対象にした緊急ワクチン接種が実施されており、現時点で接種率は95%を超えている。
世界保健機関(WHO)によれば、はしかの流行を防ぐには少なくとも95%以上のワクチン接種率が必要である。
ベトナム保健省も6〜9か月齢の乳児を対象とした全国規模の接種キャンペーンを展開しているが、地域によって取り組みの進捗に差が見られるのが実情である。
はしかは、咳やくしゃみを通じて空気感染するウイルス性疾患であり、発熱、発疹、結膜炎、呼吸器症状などを特徴とする。
多くのケースでは自然に回復するが、免疫不全や慢性疾患を持つ子どもにおいては、重症化や死亡のリスクが高まる。
専門家によれば、はしかの予防にはワクチン接種が最も有効である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。