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ベトナム南部を中心に麻疹が拡大、ワクチン供給と接種体制に課題

<写真:baothanhhoa.vn>
ベトナム国内で麻疹の感染が急速に拡大しており、3月中旬までに全国で約3万9000件の麻疹疑い例が報告され、そのうち3447件が陽性と確認された。
これまでに5人の子どもが麻疹に関連して死亡しており、前年同期の111件と比較して感染者数は著しい増加を示している。
感染拡大の中心は南部地域であり、陽性例全体の57%が集中している。特にホーチミン市では、3月10日~16日に270件の新規感染が報告され、年初からの累計が3819件に達した。
2024年4月以降の累積感染数は7000件を超え、その多くが他省からの移送患者である。
ホーチミン市では、2024年8月に麻疹の流行を公式に宣言し、緊急のワクチン接種キャンペーンを実施した。
ホーチミン市保健局は、新型コロナウイルス流行に伴う2020~2021年の定期予防接種の中断、ならびに2022~2023年におけるワクチン供給の混乱が、接種率の低下と免疫ギャップを招いたと分析している。
ホーチミン市内の調査によれば、9か月から5歳未満の子どものうち麻疹に対する免疫を持つ割合は86%にとどまり、集団免疫に必要とされる95%を大きく下回っている。
同様の傾向は、ドンナイ省においても見られる。2025年の感染者数は4486人に上り、現時点で死者は報告されていないが、感染拡大の背景にはコロナ禍による接種中断および供給不足による「免疫の空白」があるとされている。
地方の報告では、麻疹ワクチンの接種率は100%を超えているとされるが、専門家は「実際には多くの子どもが接種を受けていない」と指摘している。
特に遠隔地や就学前施設に通う子どもたちにおいて接種漏れが深刻であり、入院する麻疹患者のうち90%が未接種あるいは接種が不十分な状況にある。
ベトナム保健省は現在、全国63省・市においてワクチンの追加調達および接種キャンペーンを進めている。
すでに50万回分のワクチンが供給されており、さらに20万回分が3月20日から21日にかけて各地に配送される予定である。
ただし、現行制度では感染症対策用ワクチンの供給に必要な中央予算の確保が不十分であり、国外からの支援に依存せざるを得ない状況が続いている。
このため保健省は、ワクチン供給と定期的な予防接種の実施を安定的に行うため、中央財政措置の法的整備を政府に提案した。
なお、2025年は過去の麻疹流行周期にもあたるため、当局は迅速かつ徹底した対応を求められている。
加えて、保健省は現在、第2回麻疹予防接種計画を展開しており、6か月から9か月未満の乳児、1歳から5歳の未接種児、そして6歳から10歳の未接種または接種未完了の子どもたちを対象に追加接種を実施している。
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