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麻疹感染で5人死亡、保健省が全国的な警戒を強化

<写真:suckhoedoisong.vn>
ベトナム保健省によると、2025年初頭から全国的に麻疹の感染が急増し、疑い例を含む感染者数は約4万人で、うち5人が死亡した。
この感染者数は前年1年間の総数に匹敵する規模であり、同省は国民に対し予防対策の徹底を呼びかけている。
感染は主にホーチミン市やドンナイ省、ビンズオン省、クアンナム省、ビンフオック省などで確認されており、地域別の割合では南部が57%、中部が19%、北部が15%、中部高原が9%を占める。
なかでもカオバン省やゲアン省、カインホア省など一部の省では急激な感染拡大が見られている。
年齢層別では、生後9か月から15歳未満の子どもが感染者全体の73%を占め、そのうち91%がワクチン未接種者である。
特に6か月未満の乳児や、ワクチン接種年齢に達していない子どもの感染も多く、重症化のリスクが高まっている。
世界保健機関(WHO)は、2024年から世界的に麻疹の感染が増加していることを警告している。予防接種率が80%未満の国々では流行の危険性が高まっているという。
ベトナムではおおよそ5年ごとに麻疹の流行が繰り返される傾向があり、現在はそのピーク期に差しかかっている状況である。
麻疹は飛沫感染によって容易に広がり、免疫を持たない人が感染者と接触した場合、およそ90%の確率で発症するとされている。
1人の感染者が12~18人に感染させる可能性があるため、集団免疫を確保するには接種率が95%以上であることが望ましい。
こうした背景を受けて、保健省は2025年に全国規模で麻疹ワクチン接種キャンペーンを実施する方針を打ち出している。
対象となるのは、生後6か月から9か月の乳児を含む24省・市、および1歳から10歳の子どもや高リスク群を含む17省・市に及ぶ。
しかしながら、ワクチンの供給体制には依然として課題が残されている。
現在、ワクチン確保の多くは国際的な支援に依存しており、地方自治体による独自の調達や予算措置が十分に整っていないことが大きな障壁である。
保健省は地方に対して速やかな対策の実施と体制強化を強く求めている。
麻疹はウイルス性の感染症であり、発熱、咽頭炎、結膜炎、発疹などの症状を伴う。
重症化すると中耳炎、肺炎、脳炎などの合併症を引き起こし、場合によっては死に至る危険性もある。
特に乳幼児や栄養状態が悪い子どもにとっては、命に関わる深刻な脅威となっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。