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ベトナムで大型寄生虫が再出現、生水やヘビ肉に注意

<写真:24h.com.vn>
アフリカ諸国でのみ報告されていた寄生虫であるメジナ虫(Dracunculus medinensis)による感染症が、2020年以降にはベトナム国内でも確認されている。
現在までに国内5省で計24例が報告されており、中央熱帯病・寄生虫研究所のド・チュン・ズン准教授がこの事実を明らかにした。
感染者の分布を見ると、イェンバイ省が最も多く11例、次いでフート省8例、タインホア省とラオカイ省が各2例、ホアビン省が1例となっている。
報告された感染者はいずれも男性であり、最新の症例は2024年8月に確認された。
メジナ虫は全長1m以上に達することもある大型の寄生虫で、かつては衛生状態の悪いアフリカの4カ国でのみ発見されていた。
1998年にはベトナムでの根絶が世界保健機関(WHO)によって公式に認定されていたが、2020年に初の国内感染例が報告され、以降、複数の症例が確認されるに至っている。
この寄生虫による感染症には、現時点でワクチンも治療薬も存在しない。
感染者は皮膚に水疱や潰瘍が現れた後、寄生虫が自力で体外に出てくるのを待つしかなく、虫体を取り出す際には切断を避けるため細心の注意が求められる。
完全に排出されるまでに1日以上を要する場合もあり、途中で虫体が切断されると数百万の幼虫が体内に放出され、重篤な炎症や再感染のリスクが高まるとされている。
さらに、虫が皮膚を突き破らず関節内に潜伏するケースも確認されており、この場合は関節疾患の原因となる可能性がある。
感染から症状の発現までは通常11~12カ月と長期にわたる潜伏期間を持つ。
感染経路としては、生のカエルやヘビ肉の摂取、あるいは寄生虫の幼虫が含まれている可能性のある生水の飲用が考えられている。
WHOの専門家は、現在確認されている症例が従来のアフリカ型と異なる新種である可能性を示唆しており、今後の監視体制強化と分類の見直しが求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。