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食品安全法違反、ベトナムが処罰を強化

<写真:nguoiquansat.vn>
ベトナム保健省と公安省は食品安全に関する違反行為に対する処罰の厳格化を目的として、処罰規定の改正および強化に向けた協議を進めている。
特に悪質な違反に対しては、現在の罰金上限である2億ドン(約113万円)から、最大で3億ドン(約175万6380円)へ引き上げる方針が示されており、あわせて刑事処分の対象拡大も検討されている。
保健省食品安全局の報告によれば、現行制度では、違反に対して商品の価格の最大7倍の罰金を科すことが可能であるほか、事業停止、営業許可の剥奪、食品の回収・廃棄、さらには食中毒に関する処理費用の負担も命じられている。
個人に対しては最大1億ドン(約56万8670円)、組織には最大2億ドン(約113万円)の罰金が科されるが、実際には1件あたり110億ドン(約6439万7195円)近い罰金が科された事例も存在する。
しかし、検査体制の不備や違反の早期発見が困難であるといった課題が、処罰実効の障壁となっている。
特に小規模な事業者や路上販売業者の監視は困難を極め、再発防止には大きな壁が存在している。
こうした状況を踏まえ、保健省は食品安全法の抜本的な改正に着手した。
新たな改正案では製品登録制度の再構築、検査体制の強化、管理責任の明確化を柱としており、違反製品の追跡調査や事後検査の制度も強化されつつある。
これにより製品ラベルの虚偽表示や禁止物質の使用といった重大な違反行為が多数摘発されている。
また、刑法の改正案には食品安全違反に対する量刑の大幅な引き上げが盛り込まれている。
具体的には違反によって生じた損害が2億ドン(約113万円)を超える場合、懲役5年から10年が科される可能性がある。
一方で、専門家からは罰則の強化のみでは十分ではなく、違反の早期発見および確実な摘発を可能とする検査体制の整備が急務であるとの指摘がなされている。
特に現場の検査官が持つ権限の不足、人員の慢性的な不足といった構造的課題が深刻であり、公安との連携強化が不可欠である。
ベトナムでは2022年に54件、2023年には125件の食中毒事件が報告され、2024年にはすでに131件、被害者数は4796人に達している。
食品安全違反が国民の健康に深刻な影響を及ぼしている現状を踏まえ、関係当局は制度面および運用面の両側から、抜本的な対策の導入に乗り出している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。