おすすめのプロモーション
笑気ガス常用による健康被害、若年層に深刻な影響

<写真:khoahocdoisong.vn>
ホーチミン市に住む22歳の男性が、笑気ガス(N₂O)を常用していたことにより、四肢のしびれや筋力低下を訴え、医療機関を受診した。
週に20~60個という高頻度で笑気ガス入りバルーンを吸引する習慣が背景にあり、医師によって神経障害と診断された。
ホーチミン市の医科大学附属病院の医師によれば、患者は約2か月にわたって両手足のしびれや歩行困難といった症状に悩まされ、家族の付き添いで病院を訪れた。
診察の結果、指先の感覚異常を含む広範な四肢のしびれ、ならびに上肢の筋力低下(4/5)が確認された。
問診により、患者が週に2~3回、1回あたり10~20個の笑気ガス入りバルーンを吸引していたことが判明した。
医師はこのN₂Oの常用が原因であると診断し、ビタミンB12の補充療法に加え、神経機能回復のためのリハビリテーション、および生活習慣の改善を柱とした治療を開始した。
笑気ガスはハッピーバルーンとも呼ばれ、若者を中心に娯楽目的で広まっている。
吸引によって神経が一時的に興奮状態となり、笑いを誘発することから「笑気」と呼ばれているが、もともとは医療現場で鎮痛や抗不安の目的で用いられる医療用ガスである。
無色・無臭で甘みを感じる特性を持つことも乱用の要因となっている。
しかしながら、N₂Oは向精神性物質に分類され、使用の継続により習慣性が生じ、幻覚や依存症を引き起こす可能性がある。
過剰摂取は神経障害、特に頸髄を中心とする中枢神経系への深刻なダメージをもたらすことが知られており、意識障害や血圧低下、全身麻痺、さらには死亡のリスクも伴う。
こうした健康被害の拡大を受け、ベトナム保健当局は若年層に対する啓発活動を強化しており、笑気ガスの乱用による危険性についての周知徹底を図っている。
今回の症例はその深刻さと現実味を裏付ける警鐘といえる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。