おすすめのプロモーション
虚レビュー投稿に注意、ベトナム・インドネシアが最多

<写真:tuoitre.vn>
オンライン旅行会社であるトリップアドバイザーは2024年、AIによって作成されたとみられるレビューを20万件以上削除した。
2024年の年次透明性報告書によれば、投稿されたレビュー総数3110万件のうち約8%が虚偽であり、この割合は2022年と比較して2倍に達している。
虚偽レビューには主に、評価の不正な引き上げや競合他社の評判を意図的に貶める内容が含まれる。
これらの投稿は会員による操作や報酬を対価とした書き込みといった手法によって作成されている。
とりわけ報酬を受け取って書かれたレビューはアジア地域に集中しており、インドネシアおよびベトナムから発信されたものが全体の3分の1以上を占めていた。
トリップアドバイザーでは現在、3段階にわたるレビュー審査体制が敷かれている。
まず自動フィルターによって約7%の投稿が排除され、その後に人力による精査でさらに約5%が確認対象となる。
最終的には利用者からの通報も踏まえた総合的な対応が取られており、その結果、投稿全体の約28%が削除対象となっている。
トリップアドバイザーの信頼・安全部門副社長であるベッキー・フォーリー氏は「多くの業者が割引コードやギフトを提供することで好意的なレビューを得ようとしている」と警鐘を鳴らす。
また、従業員が家族や知人に名前を出して投稿を依頼するケースも少なくないという。
トリップアドバイザーは過去25年間にわたり、独自の不正検出システムを構築してきた。
投稿内容そのものではなく、投稿手段やユーザーの行動パターンを重視するのが特徴である。
さらに、行動生体認証やAIを活用することで、不自然な投稿傾向やIPアドレスの偽装行為などを検出している。
違反者に対しては即時の削除措置ではなく、まず1年間にわたりランキングの引き下げが実施され、再違反が確認された場合には警告ラベルが表示される。
AIによるレビューは必ずしも虚偽とは言えないが、文体が均質化することによる情報の多様性低下が懸念されている。
このため、トリップアドバイザーでは現時点でAI生成レビューを一律に禁止しており、フォーリー氏は「旅行者が似たような内容ばかりを見る状況を避けたい」と述べ、今後もAIレビューの動向を注視する姿勢を示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。