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オンライン誘拐偽装事件、留学志望の大学生が自ら演出

<写真:cand.com.vn>
ホーチミン市でカナダへの留学を目指す21歳の男子大学生が、警察官を装う詐欺グループに心理的に支配され、自らを誘拐・拷問されたかのように偽装した映像を撮影し、家族に身代金5000万ドン(約31万2500円)を要求する事件が発生した。
警察は学生を無事保護し、犯行グループの行方を追っている。
事件は学生の家族が警察に相談したことで発覚した。
学生は事前に「カナダ・シェリダン大学の交換留学プログラムに選ばれた」と伝え、財政証明のために7500万ドン(約46万8750円)が必要とし、家族はそのうち4000万ドン(約25万ドン)を送金していた。
翌日になって「さらに3500万ドン(約21万8750円)が必要」と追加の要求があり、家族が不審に感じて送金を拒否すると、学生は突然「誘拐された」と告げる動画を送付し、5000万ドン(約31万2500円)を要求した。
以降、家族との連絡が途絶えた。
警察は緊急捜査に乗り出し、西部・タイニン省のホテルで学生を発見した。監禁の形跡はなく、本人も詐欺被害にあっているとの認識がなかったという。
調べによると、学生は詐欺グループから「違法な銀行口座取引に関与している」と脅迫を受け、Zoomを通じた「取り調べ」に応じさせられた。
潔白を証明する名目で「警察口座」への送金を要求され、学生は7500万ドン(約46万8750円)の送金に応じてしまった。
さらに、犯人らは「留学を名目に家族から金をだまし取れ」と指示したという。
学生はホテルの一室で服を脱ぎ、水をかぶって電気ショックを装うなどの誘拐演出映像を自ら撮影し、家族に送付した。
ホーチミン市警察は、このような「オンライン誘拐」と呼ばれる手口が近年急増していると指摘している。
若者を中心に、公安や検察を名乗って心理的に追い詰め、金銭を騙し取るケースが多発しているという。
警察は「電話やオンラインでの取り調べや送金要求は一切行っていない」として、こうした連絡を受けた場合は冷静に対処し、すみやかに通報するように市民へ呼びかけている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。