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ベトナムでがん罹患数が増加傾向、高齢化と生活習慣が影響

2025年08月20日(本日)07時00分 公開
ベトナムでがん罹患数が増加傾向、高齢化と生活習慣が影響

<写真:lifestyle.znews.vn>

 

ベトナムにおいて、がんの罹患数および死亡数が年々増加している。毎年18万2000件以上の新規症例と12万2000件を超える死亡例が報告されており、がんは国民の健康における深刻な課題となっている。

 

この状況は、16日にハノイ市のバクマイ病院で開催された「がん治療と核医学に関する最新動向」会議において、ベトナム放射線医学会副会長であるマイ・チョン・クワ教授によって報告された。

 

国際がん研究機関(IARC)の統計システム「Globocan 2022」によれば、ベトナムは世界185カ国中、新規がん罹患率で92位、死亡率で50位に位置しており、いずれも2018年と比較して7ランク上昇している。

 

がんの主な種類としては、肺がん、肝がん、乳がん、胃がん、大腸がんが挙げられ、いずれも高い死亡率を示している。高齢者人口の増加に伴い、罹患者の多くが高齢層であることも、罹患数増加の要因とされる。

 

また、運動不足、喫煙、アルコールの過剰摂取といった生活習慣に加え、環境汚染の進行ががんリスクを高めている。特に若年層を含む喫煙者の増加や受動喫煙の影響が肺がんの発症率に影響を与えているとみられる。

 

一方、医療現場では早期発見に向けた技術革新が進展している。バクマイ病院のダオ・スアン・コー院長は、PET/CTやSPECT/CTといった高度画像診断装置の導入により、従来見逃されていた微小な病変の早期検出が可能となったと説明した。特に最新型のPET/CTは全身の撮影をわずか30秒で完了でき、診断の効率と精度が飛躍的に向上している。

 

加えて、人工知能(AI)を活用した画像解析技術の導入も進み、CTや内視鏡、組織検査のデータをもとに、がんのリスクを高精度で予測する取り組みが実用化に向けて進められている。乳がんや甲状腺がんのスクリーニング分野においても、AIの応用が期待されている。

 

治療面では、手術、化学療法、放射線治療に加えて、標的療法や免疫療法、さらには放射性同位元素を用いた核医学的治療法が確立されつつある。バクマイ病院核医学・腫瘍センターのファム・カム・フオン所長によれば、I-131、Lu-177、Y-90といったアイソトープを用いた標的放射線治療や、診断と治療を一体化させた「セラノスティクス」が注目されている。

 

これらの取り組みにより、早期段階での治癒が可能となる患者が増加する一方で、進行がん患者に対しても生活の質(QOL)の向上が見込まれている。ベトナムにおけるがん対策は、医療技術の進展とともに新たな局面を迎えている。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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