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口唇口蓋裂児が増加、ベトナムで問題が深刻化

<写真:tuoitre-vn>
ベトナムでは年間約150万人の新生児が誕生しており、そのうち約3000人が口唇口蓋裂という先天性疾患を抱えて生まれている。
近年、この疾患の発生率は増加傾向にあり、医療関係者の間では深刻な問題として認識されている。
元ホーチミン市小児病院1の歯科口腔外科部長であるグエン・ヴァン・ダウ医師によれば、口唇口蓋裂の世界的な発生率は出生700人に1人とされているが、ベトナムにおいては2016年時点で600人に1人、2024年には500人に1人へと上昇している。
特にアジア人に多く見られる傾向があるとされている。
発症要因としては、遺伝的要素に加え、妊娠初期の感染症(風疹、インフルエンザ、ムンプス、HIV)、環境汚染、ダイオキシン曝露、成長ホルモンを含む食品の摂取、X線被曝、栄養不足、自己判断による抗生物質の使用などが挙げられている。
口唇口蓋裂を抱える子どもは、出生直後から嚥下障害による肺炎や聴力障害、発育不良、栄養不良、外見上の問題といった多くの困難に直面する。
また、適切な治療が行われない場合、言語および知的発達の遅れ、自尊心の低下、さらには社会的孤立といった二次的な問題にもつながる恐れがある。
こうした課題に対処するため、ホーチミン市小児病院1では2009年より「口唇口蓋裂児包括的治療プログラム」を導入している。
このプログラムでは、単なる外科的手術にとどまらず、歯科矯正、言語療法、聴覚リハビリテーション、美容外科、栄養指導など、さまざまな分野からの支援を包括的に提供している。
これまでに同病院では、1万人以上の子どもに対して無料の手術を実施してきた。
医師らは、妊娠中に口唇口蓋裂が判明した場合でも中絶を選択するのではなく、早期に包括的な治療を開始することの重要性を強調している。
適切なケアを受けることで、患者は健常な外見や発話能力を獲得し、社会の一員として自立した生活を送ることが可能となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。