ホーチミンで流行している感染症について【ファミリーメディカルプラクティスからお知らせ】
2018年10月現在、ホーチミン市を含むベトナム国内では、「デング熱」「A型インフルエンザ」「RSウイルス(かぜの一種)」「手足口病」の4つが流行しています。
早めに症状に気付き、感染を拡大させないために対策が必要です。
今回は今の季節に気を付けておきたい感染症やその対処法を「ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン市」が解説します。
※情報提供:Family Medical Practice HCMC
デング熱
デング熱は、デングウィルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介される感染症です。
軽い場合は、高熱、発疹、頭痛、筋肉痛、関節痛などの症状が出ます。まれに重症化し、出血傾向やショック(血圧が下がること)を引き起こすこともあります。
症状
2~14日の潜伏期間の後、発熱から始まり、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛み、発疹が現れます。
発疹は最初の数日間中に現れるか、熱が下がってから現れる場合があります。
咳、下痢、吐き気、嘔吐、関節痛などの症状がでることもあります。また、目の奥の痛みもデング熱の特徴です。
対処法・治療法
デング熱に感染した疑いがある場合、医師の診察を受けましょう。ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン市では、デング熱治療の経験豊富な医師が診察しています。デング熱の症状は、マラリア、インフルエンザ、腸チフスと似ているため、症状だけでは診断できず、確定診断は、血液検査によって行います。
デング熱の特別な治療法はなく、ほとんどの場合自然に治癒します。「デング熱の8割は無症状である」とすら言われています。十分な水分補給をし、嘔吐や高熱による脱水症状を防ぐようにします。また、解熱・鎮痛のために、アセトアミノフェン(販売名:パナドール、タイレノールなど)を服用しましょう。アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬であるイブプロフェン(販売名:イブプロフェン、アドヴィルなど)は、出血を悪化させてしまうことがあるので服用をさけましょう。
もし重症化してしまった場合は、必ず医療機関で治療を受けましょう。点滴による痛みの緩和、電解質の補助、血圧の監視、また、とてもまれですが失血が起きた場合には輸血が必要となる場合もあります。
感染予防
デング熱の予防ワクチンは、ベトナムでは手に入りません。デング熱への感染を予防するには、まずは蚊に刺されないようにすることが重要です。屋外で過ごす場合は、蚊が多くなる日暮れ時などの時間帯は避けましょう。服装は長袖、長ズボン、靴下、靴を着用し、なるべく肌の露出をしないようにしましょう。
また、蚊は水たまりから発生するため、家の周辺や、庭の水たまりを無くしたり、窓を開け放しにする場合は網戸を使用したりすることも効果的です。
虫除けスプレーを使用する場合は、ディート成分が10~30%のものにしましょう。10%の場合は、少なくとも2時間ごとに付けなおしをしましょう。
虫除け成分は、身体によくない場合もあるので、使い過ぎないことも大切です。乳幼児に使用する場合は得に注意し、スプレータイプではなく、ロールオンタイプやジェルタイプを使いましょう。ベビーカーには、虫除けのネットを使用するのも効果的です。
A型インフルエンザ
A型インフルエンザは他のインフルエンザウィルスと比べて症状が激しい型です。
ウィルスの形をどんどん変えて進化し続け、鳥や豚など人間以外の動物にも感染し、大流行することがあります。
人が感染すると、肺炎を含む呼吸器系の合併症などを引き起こすこともあります。
症状
A型インフルエンザに感染すると、以下のような症状が見られます。
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悪寒、発熱
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頭痛、筋肉痛、関節痛
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倦怠感
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くしゃみ、鼻水、鼻づまり
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喉の痛み、咳
予防対策
A型インフルエンザの症状は風邪の症状と似ています。そのため、風邪の症状がある人との接触はなるべく避けることをおすすめします。こまめな手洗いとうがいを徹底しましょう。
予防ワクチンの接種も大変効果的です。 インフルエンザ予防ワクチンは、毎年、ベトナム保健省の許可が下りてから市場に出回ります。
家族が発症した際など、タミフルなどの抗インフルエンザ薬にて、予防をすることもできます。
対処法
タミフルなどの抗インフルエンザ薬の早期の使用で、有病期間を短くすることができます。A型インフルエンザにかかってしまったら、外出は避け、自宅で安静にしましょう。感染すると重症化しやすい子ども、お年寄り、妊婦との接触は避けましょう。
また、十分な医療が受けられない地方にお住まいの人達にも、感染させないようにすることが重要です。
十分な水分補給をし、必要に応じて、症状緩和のために解熱・鎮痛剤を服用しましょう。食事は、食べやすいもの軽めに取りましょう。
胸の痛み、呼吸困難、めまい、嘔吐などの症状がある場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。
RSウイルス
RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の児がRSウイルスに少なくとも1度は感染するとされていますが何度も感染と発病を繰り返します。
症状
症状としては、軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々です。
初めて感染した場合は症状が重くなりやすいといわれており、乳期にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。
そのため、特に乳児期早期(生後数週間~数カ月間)のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。
予防対策
RSウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染で、発症の中心は0歳児と1歳児です。
一方、再感染以降では気管支炎のような症状のみである場合が多いことから、RSウイルス感染症であるとは気付かない人が多くいます。
・飛沫感染
咳などの症状が出ている方はできる限り、0歳や1歳の幼い子との接触を避けましょう。また、0歳児と1歳児に日常的に接する人は、RSウイルス感染症の流行時期はもちろんのこと、流行時期でなくても、咳などの呼吸器症状がある場合は飛沫感染対策としてマスクを着用して0歳児、1歳児に接することが大切です。
・接触感染
子どもと接する機会が多い人の場合、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒しましょう。また、流水や石鹸による手洗いや、アルコール製剤による手の殺菌が効果的です。
対処法
RSウイルス感染症には特効薬はありません。治療は基本的には対症療法(症状を和らげる治療)を行います。
手足口病
手足口病は「エンテロウィルス」によって引き起こされるウィルス性の感染症で、口の中の粘膜や手のひら、足の裏などに水疱性発疹が現れます。
現在、手足口病がホーチミン市周辺で流行しています。5歳未満の小児に多く見られることが多い病気ですが、まれに大人にも感染します。
ここ数年、東南アジアにおいて流行が確認されています。
症状
4~6日の潜伏期間の後、発熱がある場合もあります。そして、口内炎ができるため、飲み物や食べ物を受けつけなくなり、脱水を起こすこともあります。
水疱は口蓋(口の中の上側)に現れる場合が多いですが、他の口内部分にできることもあります。
その後、手足、時に臀部(お尻)に赤い発疹が現れます。かさぶたにならずに治るか、くすんだ黄色い小さなかさぶたになってから治ります。
症状は数日間~1週間ほどでなくなります。手足口病の原因菌「エンテロウィルス」には様々な種類があるため、1種類のウィルスに対する抗体ができても、再度感染する可能性があります。
一度感染したウィルスに対する免疫は持続するため、同じ種類のウィルスに再度感染することは稀ですが、別の種類のウィルスが原因菌である「ヘンパルギーナ」(高熱と喉の痛み)を発病する可能性はあります。
対処法
手足口病にかかってしまったら、十分な水分補給をし、鎮痛剤で口内炎の痛みを和らげたり、熱を抑えたりするようにしましょう。塩水でのうがいも、痛みを和らげる効果があります。
ベトナムで手に入る市販の解熱・鎮痛剤は、アセトアミノフェン(販売名:パナドール、タイレノール)、イブプロフェン(販売名:アドヴィル、ニューロフェン)などがあります。共に効果が高く、安全に服用できるお薬です。イブプロフェンを服用中は、水分を十分に取るようにしましょう。
刺激のある食べ物・飲み物は避け、のどごしの良い冷たいもの、かまずに飲み込めるものがおすすめです(麦茶や牛乳、冷たいスープ、ゼリーやプリン、アイスクリーム、豆腐など)。
手足口病は、通常、長期化・重症化することはありません。ごく稀に髄膜炎や脳炎、心筋炎などを伴って重症化し、後遺症が残ったり、最悪の場合死に至るってしまうケースもあります。手足口病は発症の3~5日後に重症化することが多く、2歳未満の小児に起こりやすい傾向があります。
以下のような症状が見られる場合は、すぐに医師の診察を受けましょう:
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ぐったりしている
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ひどい頭痛
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嘔吐を繰り返す
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尿の量が極端に減った
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胸の痛み
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呼吸困難
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引きつり、けいれんなどの筋肉の異変
拡大予防
手足口病の原因菌「エンテロウィルス」は、くしゃみなどによる飛沫、唾液や鼻水、便によって感染します。また、おもちゃのおもちゃの貸し借りなどにも注意しましょう。
感染を拡大させないために、特に学校や幼稚園ではトイレの使用後にしっかり手洗い・消毒を行いましょう。マスクの着用も有効です。
ファミリーメディカルプラクティス詳細情報
ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン市 (Family Medical Practice HCMC)
日本語ホットライン: (028) 3822-1919 (救急時24時間対応)
ご予約・お問い合わせは、月~金: 8:00am ~ 5:00pm / 土: 8:00am ~ 12:00pm
日本語デスク Eメール: hcmc.jpdesk@vietnammedicalpractice.com
詳細ページ:https://poste-vn.com/family-medical-practice.html
1区/ダイアモンドプラザ・メディカルセンター DIAMOND PLAZA MEDICAL CENTER
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Tel: (028) 3822-7848 (24時間)
2区/アンフー・メディカルセンター DISTRICT 2 MEDICAL CENTER
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Tel: (028) 3744-2000(英語直通)
ケアワン健康診断センター Care 1 Executive Health Care Centre
- 住所: The Manor, 91 Nguyen Huu Canh Street., Binh Thanh District, HCMC
- Tel: (028) 3514-0757
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