ベトナム国旗の意味とは?赤と黄色い星の由来・歴史・似ている国旗を解説
目次
ベトナムの国旗は、赤地の中央に黄色い五芒星(五角星)を配したデザインです。ベトナム政府の公式情報では、国旗は長方形で、縦(幅)は横(長さ)の3分の2と定められています。
街中では国慶節(建国記念日)やテト、4月30日の南部解放記念日などの前後に国旗を目にする機会が増えます。この記事では、赤と黄色い星に込められた意味、国旗が生まれた歴史、よく似た国旗との違いまで、公式・公的資料をもとに整理します。
この記事のポイント
- 現行のベトナム国旗は、赤地の中央に黄色い五芒星を置いたデザイン
- 赤や星の意味は、憲法上の定義ではなく歴史的な解釈として語られている
- 国旗の作者はホーチミン氏と断定できず、グエン・フー・ティエン(Nguyễn Hữu Tiến)が作者と考えられている
- 中国やブルキナファソにも「赤+黄色い星」を使った国旗があるが、星の数や配置、背景色が異なる
ベトナム国旗は「赤地に黄色い星」|正式なデザイン
ベトナム社会主義共和国憲法第13条では、国旗について「長方形で、幅は長さの3分の2、赤地の中央に黄色い五芒星」と定めています。つまり、縦横比は2:3です。
ベトナム語では、赤地に黄色い星という見た目から「cờ đỏ sao vàng(コー・ドー・サオ・ヴァン)」と呼ばれます。直訳すると「赤い旗・黄色い星」という意味で、ベトナムの街中でも非常に見慣れた国家のシンボルです。
法律上明記されているのはデザインです。
「赤は何を意味するのか」「星の5つの角は何を表すのか」といった象徴的な意味は、憲法第13条そのものには書かれていません。以下では、ベトナム国立歴史博物館などで紹介されている歴史的な解釈として説明します。
赤色と黄色い星にはどんな意味がある?
赤色|革命と独立のために流された血を表すという解釈
ベトナム国立歴史博物館が紹介する歴史研究者の説明では、国旗の赤は革命を表し、独立を勝ち取り守るために多くの世代が流した血や犠牲とも結び付けて説明されています。
現行記事では、フランス革命から社会主義の赤へとつながる長い説明がありましたが、今回の更新では、ベトナムの公的資料で確認できる国旗そのものの歴史に絞って整理しました。
黄色い五芒星|国民の団結を表すという解釈
同じ資料では、中央の黄色い五芒星は民族の団結を象徴し、5つの角は「sĩ・nông・công・thương・binh」という5つの層を表すと説明されています。
| ベトナム語 | 日本語での目安 |
|---|---|
| sĩ | 知識人・学識層 |
| nông | 農民 |
| công | 労働者 |
| thương | 商工業・商業に携わる人々 |
| binh | 兵士 |
旧記事では「労働者・農民・兵士・青年・知識人」としていましたが、公的資料で確認できる説明に合わせて修正しています。
ベトナム国旗は誰が作った?
「現在のベトナム国旗を作成したのはホーチミン氏」とする説もありますが、ベトナム国立歴史博物館は、革命家グエン・フー・ティエン(Nguyễn Hữu Tiến)を「赤地に黄色い星の旗の作者と考えられている人物」と紹介しています。
一方で、同博物館自身も断定形ではなく、作者と考えられているという慎重な表現を使っています。
ベトナム国旗の歴史|1940年から現在まで
現在の国旗につながる赤地に黄色い星の旗は、1945年の独立宣言の日に突然生まれたわけではありません。公的資料をたどると、1940年代から段階的に国家の象徴として定着していったことが分かります。
| 時期 | 主な出来事 |
|---|---|
| 1940年11月 | 南部蜂起(Nam Kỳ Khởi Nghĩa)で、赤地に黄色い星の旗が各地のデモなどに登場したとベトナム国立歴史博物館が紹介。 |
| 1945年8月 | タンチャオ国民大会で、赤地に黄色い星の旗を独立ベトナムの国旗とすることが決議される。 |
| 1945年9月5日 | 政令第05号でベトナムの国旗が正式に定められる。 |
| 1946年 | 第1期国会第1回会議で国旗として承認され、1946年憲法にも規定される。 |
| 1955年11月30日 | 政令249/SLで国旗・国歌の改正が行われる。現在の国旗につながる法的な変遷の重要な節目。 |
| 1976年 | 統一ベトナムの国会が国名を「ベトナム社会主義共和国」とし、赤地の中央に黄色い五芒星を置く国旗を国家の国旗として決定。 |
| 現在 | 憲法第13条で、赤地・中央の黄色い五芒星・縦横比2:3の国旗が定められている。 |
1975年のサイゴン陥落から国家統一に至る流れをもう少し知りたい方は、統一会堂とベトナム統一の歴史もあわせて読むと背景をつかみやすくなります。
祝日になると街中に国旗が増えるのはなぜ?
ベトナムで暮らしていると、国慶節やテト、4月30日などの前後に、住宅や商店、公共施設で国旗が一斉に掲げられ、街の景色が赤く染まるように感じることがあります。
実際に2026年も、ハノイ市や各地区・コミューンから、特定の記念日や行事に合わせて行政機関、学校、企業、住宅地、一般家庭などに国旗掲揚を求めたり呼びかけたりする通知が出されています。地域や行事によって対象・期間・表現は異なります。
祝日の時期や連休については、ベトナムの祝日一覧も参考にしてください。
ベトナム国旗に似ている国旗
「赤に黄色い星の国旗はどこの国?」と迷ったとき、ベトナムと見分けやすいポイントは星の数・位置・背景の配色です。
| 国 | デザインの特徴 | ベトナムとの見分け方 |
|---|---|---|
| ベトナム | 赤地の中央に黄色い五芒星が1つ | 大きな星が中央に1つだけ |
| 中国 | 赤地の左上に黄色い星が5つ | 左上に大きな星1つ+小さな星4つ |
| ブルキナファソ | 上半分が赤、下半分が緑で、中央に黄色い五芒星が1つ | 背景が赤一色ではなく、赤と緑の2色 |
特に中国の国旗は赤と黄色い星を使うため似て見えますが、ベトナムは中央に星が1つ、中国は左上に星が5つと覚えるとすぐに区別できます。
よくある質問
ベトナム国旗の名前は?
ベトナム語では「cờ đỏ sao vàng」と呼ばれます。「赤い旗・黄色い星」という意味です。
黄色い星の5つの角にはどんな意味がある?
ベトナム国立歴史博物館が紹介する歴史研究者の説明では、「sĩ・nông・công・thương・binh」、つまり知識人・農民・労働者・商工業に携わる人々・兵士という5つの層の団結を表すとされています。これは憲法本文の法定説明ではなく、歴史的な解釈です。
ベトナム国旗を作ったのはホーチミン?
今回確認した公的資料では、ホーチミン氏がデザインしたとは確認できません。ベトナム国立歴史博物館は、グエン・フー・ティエンを「作者と考えられている人物」と紹介しています。
ベトナムでは祝日に家庭でも国旗を掲げる?
実際に自治体が期間を指定し、一般家庭にも国旗掲揚を求めたり呼びかけたりする通知を出すことがあります。ただし、すべての祝日について全国の全家庭に一律の法的義務がある、とは今回の一次情報から確認できませんでした。
まとめ
ベトナムの国旗は、赤地の中央に黄色い五芒星を配したシンプルなデザインですが、その背景には1940年代の独立運動から現在まで続く長い歴史があります。
一方で、国旗については「ホーチミン氏が作った」「星の5つの角は青年を含む5階層を表す」「一般家庭はすべての祝日に掲揚義務がある」といった説明が広まりやすく、資料によって表現も異なります。この記事では、憲法や政府文書、公的な歴史資料で確認できる範囲を基準に整理しました。
次に街で赤地に黄色い星の旗を見かけたら、ベトナムの独立や統一の歴史、そして国民の団結を象徴する旗として眺めてみると、いつもの街並みも少し違って見えるかもしれません。
参考資料
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