ベトナムで気を付けるべき感染症|原因や予防方法、帰国後の注意点なども紹介

ベトナムで気を付けるべき感染症|原因や予防方法、帰国後の注意点なども紹介

外的要因による感染症

 

ベトナムに渡航する際、注意しなければならないのは飲料水や食べ物だけではありません。蚊を媒介とした感染症や呼吸器感染、性的感染などいたるところに感染の可能性が潜んでいます。事前に知っておくことで、渡航先での時間を安全に過ごせるようにしましょう。

 

B型肝炎

B型肝炎は主に血液や体液を介して感染するもので、性感染以外にも輸血や臓器移植、医療器具の使いまわしなどによっても感染する可能性があります。日本人の感染者の多くは主に病院や性行為によって感染します。B型肝炎は一過性感染と持続性感染の2つに分けられますがどちらもワクチンによる予防が可能です。観光だからといってハメを外し過ぎないようにしましょう。

 

・症状

主な症状としては発熱、倦怠感、嘔吐、下痢、食欲不振です。風邪の症状に似ているため気づかないこともあります。

 

・対策法、予防法

感染経路は主に病院に行った場合か性行為を行った場合ですので、病院に行く際は衛生面で安心できる病院選びが必要です。仮に感染した場合は投薬での治療となります。症状が慢性的にならないように適切な治療を行う必要があります。また、日本での予防接種も可能ですので事前の予防も必要です。

 

・ワクチン接種スケジュール

B型肝炎のワクチンは全部で3回接種することが必要です。1回目の接種後、1ヶ月後に2回目、6〜12ヶ月後に3回目を打ちましょう。

 

デング熱

デング熱はウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカ(ヤブ蚊)に刺されることで感染する病気です。近年日本でも感染が確認されるようになり身近な感染症になっています。潜伏期間は3日~5日ほどで、刺された直後は感染しているかどうかわかりません。ベトナム全土で感染の危険があり、特に中部から南部にかけて感染の危険が高いです。特に中部地域の山岳部へ旅行に行く際は細心の注意が必要です。

 

・症状

デング熱に感染した場合、発熱、関節痛、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が5日~7日間続きます。風邪の症状に似ていますが、通常よりもかなり重症になるので注意が必要です。通常は後遺症なく回復しますが、重症の場合には血小板が急激に減少する「デング出血熱」になり、肝腫大や胸水・腹水が見られるようになります。また、最悪の場合は輸血が必要になったり、死に至ることもあります。

 

・対策法、予防法

対策としては長袖、長ズボンを着用しできるだけ肌を露出しないことです。また、虫よけスプレーなどを使って蚊が寄ってこないような対策が必要です。

 

デング熱のワクチンや予防接種はないので、デング熱発症後に痛みを和らげる治療法しかありません。デング熱にかかる前に事前の準備を怠らないようにすると同時に、感染し症状が出始めた場合にはすぐに病院で診察を受けるようにしましょう。

 

日本脳炎

日本脳炎は日本で初めてこの病気が見つかったことから名づけられました。現在では東南アジアを中心に感染の可能性があります。ベトナム全土で感染の報告があるもののハノイやホーチミンなどの都市部では感染の可能性は低いです。デング熱と同様、蚊を媒介とした感染症で主に農村部で多く見られます。日本脳炎ウイルスは人に感染しても多くの場合、無症状で終わるものの、発症した場合の致死率は30%にも上ります。

 

・症状

高熱、頭痛、痙攣(けいれん)、意識障害など症状に加え、四肢の麻痺なども典型的な症状です。かなりの重症になるのが特徴的で症状が重いほど死亡率も高まります。完治しても後遺症が残ることもあり、幼児の場合は後遺症が残る確率が高いです。

 

・対策法、予防法

蚊を媒体とした感染症なので長袖、長ズボンを着用し肌の露出を控え、虫よけしプレーを使用することが大事です。都市部だからといって安心せず、外出先やホテル内でも注意するようにしましょう。日本で予防接種を受けることが可能なので渡航前に受けておくことが望ましいです。

 

・ワクチン接種スケジュール

日本脳炎のワクチンの接種回数は年齢によって異なります。18歳以下の場合、1回目の接種後、1年後に2回目を打つことが必要です。18歳以上の場合、1回の接種で大丈夫です。

 

狂犬病

狂犬病は発病すればほぼ100%が死亡する感染症で、イヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に咬まれることによって感染します。動物の感染はベトナム全土で確認されています。ベトナムでは飼い主のいない野犬が街中を歩き回っており、食事を探しにレストランへ入ってくることもあります。脳に近い部分を噛まれるほど感染のスピードも速いので迂闊に犬に近づかないようにしましょう。

 

・症状

噛まれた場所によって潜伏期間は異なり、脳から遠いほど潜伏期間が長く、症状が発症するまでに2週間から1か月程度かかります。発症するとすぐさま痙攣や麻痺症状が起こります。痙攣と同時に極端に水を恐怖に感じる恐水症状も発症します。その後、全身の筋肉が麻痺し呼吸困難になり死に至る可能性があります。

 

・対策法、予防法

狂犬病ウイルスを保有している可能性のある動物に噛まれた場合はすぐさま傷口をよく洗い、アルコール消毒を行い、近くの病院で診てもらいます。そして、医療機関で発症を予防するワクチン接種を行う必要があります。日本でも予防接種を受けることは可能なので予防接種を受けることをおすすめします。

 

・ワクチン接種スケジュール

狂犬病のワクチンは最低でも合計3回接種することが必要です。ワクチンを1回目に接種後、7日後に1本、28日後に1本打ちましょう。ただし、ワクチンで100%狂犬病を予防することはできないため、動物に噛まれた後は直ちにに追加接種が必要になります。ベトナムでは狂犬病の接種方法が最近、変更になりました。ベトナムでは現在、全2回の接種で、1回目接種後、7日後に2回目接種が必要です。

 

破傷風

破傷風は土壌の至る所に存在している破傷風菌が傷口から体内に侵入することで感染します。日本では幼児期に予防接種を受けているので基本的に感染する可能性は低いです。しかし20代半ばになると予防接種の効果が切れてくるので再度打つ必要があります。

 

・症状

破傷風の主な症状としては痙攣や口が開かない、顎が痛むといった開口障害、食べ物を飲み込む機能が損なわれる嚥下困難(えんげしょうがい)などが発症します。重症の場合ですと、呼吸困難や血圧変動などが発症します。

 

・対策法、予防法

対策法としては、転倒し怪我をした際にまず、傷口をしっかり洗い消毒を行うことです。基本的には予防接種によって対策が可能です。

 

・ワクチン接種スケジュール

破傷風のワクチンの接種回数は年齢によって異なります。一度予防接種をしておくと約10年間は免疫が持続するので、12歳の時に定期予防接種をしていれば20代前半までは免疫があります。それ以降に定期接種を行わなかった場合、海外出発までに最低2回の接種が必要です。

 

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