ベトナムで気を付けるべき感染症|原因や予防方法、帰国後の注意点なども紹介

ベトナムで気を付けるべき感染症|原因や予防方法、帰国後の注意点なども紹介

マラリア

ホーチミン、ハノイ、ダナンなどの都市部や紅河周辺、ニャチャン以北のリゾート地では感染の危険はほとんどありません。しかし、中部高原や東南部などの農村地域では感染の危険があるので注意が必要です。都市部では感染の可能性は低いですが、感染したとの報告があるので日頃から対策を怠らないようにしましょう。

 

・症状

発症した場合、発熱や悪寒などの症状が起こります。放置しておくと命の危険もあるので、少しでも発症した際は念のため医療機関へ行きましょう。

 

・対策法、予防法

マラリアに有効なワクチンはないので予防薬や個人でできる対策を行う必要があります。デング熱と同様、長袖長ズボンを着用し虫よけスプレーを使用し、事前準備を徹底しましょう。また、抗マラリヤ薬の服用も有効ですが、その予防効果は必ず効くとは限りません。服用する薬によっては服用方法や副作用のリスクなどがあるので事前に専門機関に相談してみましょう。

 

結核

結核は結核菌によって起こる感染症で東南アジアで最も多く見られます。空気感染から結核になり、症状が悪化すると他の臓器にも悪影響を及ぼします。ベトナムの結核感染率は日本の約10倍で世界結核高まん延国22か国中、ワースト12位(WHO調査)にランク付けされているので日頃から予防の意識が必要です。

 

・症状

結核の症状としては、3週間以上続く咳、血痰、倦怠感、体重減少、食欲不振、就寝中の多汗などが挙げられます。結核は感染してもほとんどの場合、潜伏したままです。体調が悪くなって免疫力が低下したときに症状が出始めます。

 

・対策法、予防法

結核は空気感染なので、結核患者と長時間過ごしたり、換気の悪い部屋にいると感染する原因となります。基本的に結核の可能性のある場所にいないことや手洗いうがい、日々の健康維持といったことが大切です。また、定期検診を受ける、咳が長期間続く場合には結核を疑うといった行動も頭に入れておきましょう。

 

もし結核になってしまった場合、投薬治療を約6週間継続して行う必要があります。数週間で症状がおさまれば安心ですが、あまりに重症であると入院しなければなりません。

 

麻疹

麻疹は麻疹ウイルスによる空気感染する感染症です。感染力はとても強く、空気感染だけでなく飛沫感染や接触感染などからも感染する可能性があります。ベトナムでは2013年から2014年にかけて約40年ぶりに大流行しました。7000人以上が感染し、北部地方を中心に幼少児が25人以上亡くなりました。成人でも免疫力が低下している場合には感染し重症化することがあります。

 

・症状

身体の免疫全般を担うリンパ組織を中心に菌が感染し、発熱や発疹を起こします。また、リンパ組織への感染から免疫機能低下を引き起こし、その他の様々な感染症や病気にかかる可能性があります。

 

・対策法、予防法

麻疹に関する唯一効果的な方法は麻疹ワクチンの予防接種です。予防接種の開発によって世界では麻疹による死亡を75%減少させました。渡航前にこれまでの予防接種歴を確認し事前の対策が必要になります。

 

・ワクチン接種スケジュール

麻疹のワクチンは基本的に生後12か月~24カ月の間で予防接種を行い、20年~30年間免疫が持続します。その後は任意で予防接種が受けられます。予防接種を受ける場合は4週間以上間隔を開けて2回接種を行うことをお勧めします。

 

 

万が一ベトナムで感染症にかかったら

 

感染症にかかった場合、帰国してから病院に行くのではなくできるだけ早く対応するようにしましょう。ベトナムにある外資や日系の私立病院・クリニックでは日本人や日本語対応可能なスタッフが勤務しており、在留邦人の多くはそれらの病院を利用しています。私立医療機関の救急外来の多くは24時間体制となっており、受診の際の予約は不要です。一方、専門外来の場合は予約してから受診するのが一般的です。医療費の支払いは現金払いが原則ですが、多くの医療機関ではクレジットカードが利用でき、海外旅行傷害保険のキャッシュレスサービスを利用できる病院が増えています。

 

 

帰国後の過ごし方

 

病気には感染してから症状が出始めるまでに潜伏期間があり、長い場合で2週間以上経過してから発症することもあります。滞在中は何事もなくても、帰国後に症状が現れる可能性もあります。日本では発症しない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国後に異変を感じた場合はすぐに診察してもらうようにしましょう。

 

まとめ

 

ベトナムは衛生環境や医療機関などが大きく異なります。渡航中の食事や外的感染の危険に十分注意しつつ、事前に予防接種をすることで未然に感染しないように注意しましょう。いつもと体調が違ったり、症状が出始めた場合は早めに医療機関で受診を行うようにしましょう。

 

※この記事に記載されている情報は2018年8月のものです。本記事に記載されている情報は予告なしに変更される場合がございますが、ご了承ください。

 

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