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子どもを「道具」に使うSNS動画が流行、専門家らが問題視
〈写真:TuoiTre〉
ベトナムではTikTokをはじめとするソーシャルネットワークで、食事や就寝を拒否した子どもを威嚇したり、怖がらせたりするような動画が人気を博しており、問題視されはじめている。
同国ではソーシャルネットワークの普及によって多くの子どもたちが有害なビデオを見て真似をしたり、大人たちの残酷な流行に脅かされたりしている。
最近では子どもを怖がらせるために「幽霊フィルター」を使用する動画が流行し、部屋に1人残された子どもを驚かす動画が複数公開されている。
動画に登場する子どもたちは再生回数や「いいね!」を集めるための「道具」として利用されており、実際にこうした動画には何百もの「いいね!」が付けられている。
ハノイ市在住のHさんはソーシャルネットワーク上の子どもの脅迫の傾向について、「大人でも恐怖を感じる様な動画が多数公開されている。なぜこのような無駄なものが流行するのか理解できない」と話す。
ベトナム国家大学ハノイ校の教育大学の講師であるチャン・タイン・ナム准教授は、こうした行為は子どもの心を傷つけるものであり、多くの若者の意識の欠如を反映していると指摘する。
ベトナムでは多くの親が子どもをより従順にするために、子どもを威嚇することで教育しており、この方法は非人道的である。また、子どもを部屋に閉じ込めたり、仮面をかぶせたりして、大人にとって楽しいことをさせようとする風潮も激しく批判されるべきである。
ナム准教授によると、悪魔のような流行は子どもたちの精神衛生に悪い影響を与えており、他人の恐怖を自分のストレス解消の手段と考えるベトナムの若者の教養のなさを表している。
ホーチミン市立小児病院の心理学者ブオン・グエン・トアン・ティエン氏は、威圧的な内容の動画は子どもに恐怖や不安、強迫観念、さらには不安感や睡眠障害といった悪影響を与える可能性があると指摘する。
世界保健機関は2019年4月に1歳未満の子どもは電子スクリーンに触れてはならず、2歳〜4歳の子どもは1日に1時間以上の電子スクリーンタイムを過ごしてはならないと勧告している。
ティエン氏は「年齢別に電子機器の使用時間を規制し、子どもがアクセスできるコンテンツをコントロールすることが必要である。家庭内の関係は子どもの健全な精神発達の基礎となる」と述べた上で、親が子どもの良い手本にならなければいけないと強調した。
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