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ハノイ市の個室型シェアハウス、若者や低所得者から人気を集める
<写真:VN Express>
ベトナムでは「nha tro to ong(蜂の巣部屋)」と呼ばれる個室型の狭いシェアハウスが2019年頃から登場し始め、低所得層や若者等から人気を集めている。
中部ゲアン省出身のフックさん(21)が住む部屋は折り畳み式のテーブルと人が横になれるだけのスペースしかなく、彼は約3平方メートルの部屋を「マッチ箱」と表現する。
家賃は月100万ドン(約6050円)と光熱費、サービス料だけであり、以前借りていた300万〜350万ドン(約1万8160〜2万1190円)の部屋と比べると負担が非常に小さい。
インフレの最中にある現状では低所得者にとって理想的な住環境だという。
韓国語で「コシウォン」と呼ばれるこの蜂の巣状の部屋は約40年前に韓国で初めて登場し、大学生が試験勉強のために外界から遮断されるように設計されたものである。
現在では日本や香港でよく見られるスタイルで、主に学生や留学生、低所得の労働者向けに提供されている。
ベトナムでは2019年にハノイの都市部に登場した。
<共用キッチン>
フックさんが住む物件には全部で33の部屋があり、それぞれに電気やコンセント、吊り棚、換気扇、集中空調システムが備え付けられている。
ハノイ市で200棟のチェーンを経営するルエンさん(27)によると、設立3年で借りた約2000人のうち6〜7割が男性である。
パンデミック時には学生や労働者が帰国して入居者が30%減ったが、今年の初めには以前の水準に回復しており、入居率は常時90〜95%で平均賃貸期間は6カ月だという。
しかしこうした物件は家賃が安い分、騒音や火災の危険性といった明らかなデメリットがある。
隣人がスピーカーをつけたり、大きな声で話せば全て筒抜けになる。各階にある1つのトイレを10数人が使わなければならないため、早朝や深夜に長蛇の列ができる。また、部屋は木で仕切られているだけのため、火災が発生すれば命の危険に直結する。
ルエンさんが経営する物件は防火に関する誓約書を当局と交わしており、部屋の仕切りに使用している木材は難燃性で、室内は禁煙にしているため安全だとして主張している。
しかし、防火に必要な書類を見せろと言われても提出することができない。
フックさんは危険の伴う狭い場所であるが低価格に満足しており、「たとえ収入が増えても住み続けるつもりだ」と話している。
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