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工場受注減の影響、ハノイ市の労働者が不完全雇用に
<写真:VnExpress>
世界的な不況の影響による受注減を受け、ベトナム南部だけでなくハノイ市周辺でも労働者に影響が及び始めている。
ハノイ市にあるタンロン工業団地の電子機器工場で働くフエンさんは、10年間にわたって少なくとも週6日、1日8時間以上働いて家族を養ってきたというが、11月には平日の5日間で40時間働くことがやっとであった。
フエンさんは南部の家族へ仕送りをしており、肉や魚といった贅沢品を控え、食事の量を減らしても貯金することは不可能となっている。
多くの労働者が同様の状況にあるといい、労働時間が以前よりも減ったままであれば、テト(旧正月)の間に家族が十分な食事を摂ることさえ難しい可能性がある。
労働者にとって残業は時間や体力、場合によっては健康までも奪ってしまうものであるが、残業をしなければ給料が上がらないため、多くのベトナム人労働者が残業を求めている。
同電子機器工場で働くダンさんによると、以前より30%も収入が減ってしまったが、子ども2人の学費が払えなくなるため、現在の仕事を辞めてまで新しい仕事を探す気にはなれない。
近辺の工場で働く大半の人は今年のテト・ボーナスが支給されないというが、唯一の希望は完全に解雇されないことであるという。
ハノイ市には同様の労働者が約6500人いることが明らかになっている。ベトナム全国の産業界で第4四半期の受注減が確認されており、順調に推移していた製造部門からも不完全雇用と失業が報告されはじめた。
ベトナム労働総同盟によると、11月中旬時点で28の都市・省の485社が受注減によって操業規模を縮小せざるを得ない状態に陥っている。485社のうち62%近くがベトナム南部にあり、全国57万人の未就労労働者のうち87%が南部在住である。
また、全国で約3万4500人の労働者が解雇され、3万1000人以上が無給休暇を取得した状態となっている。
衣料品と繊維、履物、木材加工、電子機器、食料品、サービス業、観光業が受注減の影響を最も強く受けており、多くはドンナイ省とビンズオン省、ロンアン省、アンザン省といった南部の省に位置する。
労働科学社会問題研究所の戦略的分析・予測センターの調査によると、受注減の影響によって有力企業でも必要な労働時間が減少しており、多くの企業が労働者を解雇する代わりにシフト制に変更し、給料を従来の30%に減らしている。
同センターのファム・ゴック・トアン所長は、不完全雇用の状況は少なくとも来年の第1四半期までは続き、問題の累積的な影響が市場をさらに不安定にすると予測する。
解雇された都市部の労働者は地元で低い給与の仕事を始める傾向があり、過去には経済が好転して都市部で労働者が必要になった際に、都市部に労働者がいないという状態に陥ったことがある。
受注が回復した際に同様の事態が発生する可能性がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。