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鯉のなれずしを食べた10人が入院、1人の死亡が確認される

2023年03月20日(月)17時24分 公開
鯉のなれずしを食べた10人が入院、1人の死亡が確認される

<写真:Tuoi Tre>

 

ベトナム中部クアンナム省で鯉のなれずし(cá chép muối chua)を摂取した10人がボツリヌス中毒で入院し、そのうち1人の死亡が確認された。

 

クアンナム北部山岳地域総合病院は18日朝、ホーチミン市のチョーライ病院に対して、患者の治療に関する支援を要請した。

 

チョーライ病院の医師はオンライン診断で症状をボツリヌス中毒として診断した後、治療支援として同総合病院への抗菌剤と専門家3人の手配を行った。

 

18日午後に同省へ到着した専門家らは患者の健康状態評価を行うとともに、3つのクラスターの発生を確認した。

 

第1クラスターは同省フォックソン(Phuoc Son)郡フォックドゥック(Phuoc Duc)村在住の女性3人と男性2人で、鯉のなれずしを摂取した12〜24時間後に腹痛と嘔吐、疲労の症状が発症したという。

 

同総合病院で治療を受けた後に4人の容態は安定したが、40歳女性が3日後に死亡した。

 

第2クラスターは同郡フォックチャイン(Phuoc Chanh)村在住の37歳女性で、鯉のなれずしを摂取した翌日に大量に嘔吐し、衰弱状態に陥って入院した。

 

16日に同女性が呼吸不全に陥ったため、人工呼吸器が装着された。

 

第3クラスターは同郡フォックキエン(Phuoc Kien)村在住の男性3人と女性1人の家族で、16日に鯉のなれずしを摂取した翌日に嘔吐の症状を示した。

 

18日に57歳と26歳の男性が四肢麻痺及び呼吸不全に陥ったため、男性2人には人工呼吸器が装着され、12歳少年と24歳女性は手足が衰弱状態にあるという。

 

同省に派遣されたチョーライ病院のレ・コック ・フン熱帯病科長によると、密閉容器に2〜3週間保存された鯉のなれずしはボツリヌス菌の増殖が促進された状態であり、患者全員が同様のものを摂取していたという。

 

チョーライ病院は保健省に症例に関する報告書を送付し、再発防止に向けてクアンナム省の医療部門に地元住民への情報提供を要請した。

 

人工呼吸器が装着された患者3人には、チョーライ病院が手配したボツリヌス菌抗毒剤の「Botulism Antitoxin Heptavalent」が処方されている。

 

26歳男性と37歳女性は抗毒剤を注入した13時間後に症状が回復し、人工呼吸器が外されたが、57歳男性は18日夜時点で昏睡状態にあり、麻痺の症状や自発呼吸が弱い状態が継続していた。

 

2020年にはロイソンモイ(Loi Song Moi)社が販売したミンチャイ(MINH CHAY)ブランドの瓶詰パテ「Pate Minh Chay」にボツリヌス菌が混入する事件が発生している。

 

同瓶詰めパテによって国内の複数地域で約1300人のボツリヌス中毒症例が発生し、ハノイ市では死亡者も確認された。 

 

当時のベトナム国内には抗毒剤が不足していたため、世界保健機関(WHO)によってタイやヨーロッパから1本6000ドル(約78万6000円)以上の抗毒剤が提供された。

 

ボツリヌス菌は強力な神経毒性を持ち、ボツリヌス毒素を含む食品を摂取すると中毒症状が12~36時間またはそれ以降に現れる。

 

一般的な症状は腹痛や筋肉痛、疲労、かすみ目または複視、口渇、発話障害、嚥下困難、眼瞼下垂、全身の衰弱で、呼吸困難に陥ることもある。

 

重度の場合には平均2か月以上の人工呼吸器装着が必要となり、回復に数か月を要し、合併症が発生する可能性もあるという。

 

また、早期に治療しなければ死や麻痺につながる可能性がある。

 

 

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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。


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