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タガメが隠し味!? ハノイで60年以上続くバインクオン屋

<写真:VnExpress>
1960年創業のバインクオン屋「Bánh cuốn Thanh Trì Cô Lan」は、ベトナム北部の伝統的な味を守り続けている。
ベトナムの蒸し春巻きであるバインクオンはハノイ市タインチー(Thanh Tri)郡の伝統的な食べ物で、作家タック・ラム氏の著書『ハノイの36通り』では、同市の真の贈り物として取り上げられた。
バインクオンは多くの地域で愛されているが、同郡のものには池や湖、沼地、野原に生息する水生昆虫であるタガメ(カ・クオン)が使用されるのが特徴である。
同店のホアン・ティ・ランさん(68)は1960年からバインクオンの伝統を継承してきた。
ランさんの母親と祖母は、ハノイ市の路上でバインクオンを販売する露天商であった。ランさん自身も約20年前には同市内のカムティエン市場付近の屋台でバインクオンを販売していた。
ランさんは2008年にホアンマイ区タインチー(Thanh Tri)街区に食堂を開業し、現在は息子のクオンさんが4代目として事業を引き継ぎ、旧市街に店舗を増やして事業を拡大している。
現在の店舗の面積は約30㎡で、ステンレス製のテーブルが2つ、ベンチが2つ、プラスチックの椅子が2つあり、一度に20人の顧客を収容することが可能である。店内には工芸村のコンテストで受賞した賞が飾られ、ランさんの長年の経験と技術が感じられる。
同店では米10kgやエシャロット3kg、ネギ1kg、豚ひき肉5kgなど、多くの材料を使用して毎日の仕込みを行う。バインクオンの主原料は米粉で、ランさんが厳選したものを使用する。
調理場は店舗入り口の左側にあり、店内では顧客が手作りで出来立て熱々のバインクオンに舌鼓を打つ。ランさんによると、バインクオン作りで一番難しいのは、均等な焼き加減とドロドロした部分が無いことを確認するタイミングであるという。
同店では伝統的なネギ脂入りのバインクオンや、肉やキノコが入ったものも提供されている。ネギ脂入りも肉入りも価格はどちらも2万ドン(約120円)で、希望すれば豚肉巻きや卵を追加注文することも可能である。
同店のバインクオンは白くて綺麗な見た目と弾力のある食感、そして風味豊かなネギの脂が自慢であり、付け合わせの甘酸っぱい付けダレが味をさらに引き立てている。
さらに味を引き立たせるために、顧客は焼くとスパイシーで風味豊かな香りを放つタガメを注文することが可能である。タガメは1皿7万ドン(約430円)で、バインクオンの値段の3倍以上もする。
ランさんによると、最近はタガメがますます珍しいものになっており、虫のエッセンシャルオイルを使用する店も増えているが、丸ごとの虫を使用した濃厚さには敵わないという。
同店はハノイ市の中心部から10kmも離れているにも関わらず、客足が絶えることはなく、テイクアウトの注文を除いて毎日約100人前を提供している。
多くの常連客が同店の味を絶賛し、「本物のタガメを使ったこの店の味が一番である」「ネギ脂がバインクオンの味と見事に調和し、バランスの取れた楽しい味に仕上がっている」と評価する。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。