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ベトナム人は投資や貯蓄拡大を優先、保険加入には消極的
<写真:tinnhanhchungkhoan.vn>
ベトナムの消費者は地域内で最も高い経済成長への楽観的な見通しを持ち、投資や貯蓄の拡大を優先している一方で、保険加入には消極的であることが最新の調査で明らかになった。
UOB銀行が発表した「ASEAN消費者心理調査(ACSS)2024」によると、ベトナムの消費者の70%以上が今後6~12か月の国内経済見通しに自信を示した。
この背景には2024年上半期におけるGDP成長率が6.42%に達し、前年同期の3.84%を大きく上回ったことがある。
UOBは2024年通年のGDP成長率予測を当初の5.9%から6.4%に引き上げており、第3四半期の成長率は7.4%を記録している。
UOBの個人金融サービス部門の責任者であるポール・キム氏は「ベトナムの消費者が地域内で最も楽観的であることは、安定した経済成長と地域統合の成功を物語っている」と述べた。
経済の安定性に対する自信が広がる一方で、経済後退やインフレに対する懸念は減少傾向にある。
経済後退を懸念する消費者の割合は前年から7ポイント減少した。
インフレ懸念は依然として60%と高水準であるが、前年から6ポイント減少しており、家計支出の増加への懸念も同様に低下している。
また、2024年1月以降の9か月間で輸入物価指数が前年比1.73%減少し、国際原油価格の下落も影響して消費者物価指数(CPI)は政府目標の4.0~4.5%を下回る3.9%で推移している。
調査では教育(42%)、医療(33%)、光熱費(33%)など、必需品への支出が増加していることが判明した。
一方で、旅行や外食、高級な娯楽など体験型消費への支出も拡大しており、特にZ世代が顕著である。
貯蓄意識も高く、回答者の約60%が緊急時のために3か月分以上の生活費を確保しており、約半数が月収の20%以上を定期的に貯蓄している。
また、63%の消費者が年間所得の10%以上を投資に回しており、この割合は地域平均を10ポイント上回る。
一方、保険加入率は依然として低水準である。基本的な健康保険には86%が加入しているが、重大疾病保険(15%)や死亡・完全障害保険(13%)は地域平均を下回っている。
ACSSはシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの5か国で実施される調査で、2024年版は5000人を対象に行われた。
この調査結果は、ベトナムの消費者が経済成長に対する楽観性を持ちながらも、依然として課題が残ることを示しており、今後の政策対応が注目される。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。