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FDI企業の半数が赤字、財務省が調査を提案
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<写真:thanhnien.vn>
ベトナム財務省は、2023年の外国直接投資(FDI)企業の業績に関する最新報告書を公表した。これによると、報告義務のあるFDI企業のうち約56%が赤字を計上し、累積損失や資本喪失が拡大していることが明らかになった。
財務省は、これらの企業に対する調査および監査を実施し、詳細な状況を解明する方針を示している。FDI企業の業績悪化は税収にも影響を及ぼしており、財務省は税務管理の強化を検討している。
財務省の報告によれば、2023年に財務データを提出したFDI企業2万8918社のうち、1万6292社が赤字を計上した。これは、ベトナムで事業を行うFDI企業の約半数が損失を抱えている計算となる。
また、累積損失を抱えるFDI企業の数は前年同期比15%増の18100社に達した。FDI企業全体の年間赤字額は約217兆4000億ドン(約1兆291億6000万円)と、前年から32%増加している。累積損失額も908兆2000億ドン(約5兆393億8000万円)に達し、20%の増加を記録した。
特に、資本を喪失したFDI企業の数も大幅に増加し、2023年には5091社が自己資本を下回る財務状況に陥った。資本不足額は約241兆5600億ドン(約1兆435億6000万円)と推定されている。
FDI企業全体の2023年の売上高は約94億ドン(約5584万円)で、前年から426兆9000億ドン(約2兆537億9000万円)減少した。
一方、FDI企業の税収貢献は限定的であった。国内税収(原油関連を除く)は238兆8000億ドン(約1兆419億8000万円)で、前年比4兆6000億ドン(約273億2000万円)の減少となった。
法人税収は120兆4000億ドン(約7153億6000万円)、付加価値税収は62兆1000億ドン(約3688億6000万円)、特別消費税収は50兆8000億ドン(約3019億6000万円)にとどまっている。
利益面でも減少が見られ、2023年の税引前利益は411兆7000億ドン(約2兆445億6000万円)で、前年より約68兆3000億ドン(約3999億6000万円)減少した。税引後利益も377兆ドン(約2兆239億円)で、前年より約63兆ドン(約3741億円)減少している。
FDI企業の総資産は2023年に9兆9600億ドン(約5918億円)に達し、前年比6.8%増加した。一方、自己資本は41億9000万ドン(約2488万円)で、5.5%の増加にとどまった。
これに対し、FDI企業の負債総額は57兆ドン(約3386億5000万円)に達し、前年から7.9%増加した。負債比率(負債総額/自己資本)は1.38倍に上昇している。
特に、金融・銀行・保険業界では3.7倍、情報通信業界では3倍、電力・ガス業界では2.6倍、卸売・小売業では2.2倍と、業界ごとに高い水準を示した。
財務省は、FDI企業の全体的な支払い能力に大きな問題はないとしながらも、一部の業界では財務の安定性に注意が必要であると指摘する。
財務省は、多くのFDI企業が継続的に赤字を計上しながらも投資を拡大している点を問題視しており、特に資本規模が大きく、売上や税引前利益が高いにもかかわらず、国家財政への貢献が低い企業の存在が懸念されている。
財務省は、FDI企業の財務状況や税務対策について詳細な調査を進めるとともに、税務管理の強化を図る方針を示している。
今後、監査や税務調査を通じて損失の実態や租税回避の可能性を精査し、適切な対応策を講じることが求められる。
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