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中国製品の台頭で価格競争激化、越南ブランドがEC市場から相次ぎ撤退

<写真:nhandan.vn>
2025年初頭、ベトナム国内における多くのブランドが電子商取引(EC)市場からの撤退を余儀なくされている。
特にファッション業界においては、中国製の低価格品が市場に浸透するなか、ECプラットフォームの手数料制度変更も重なり、価格競争に耐えられない企業が増加している状況である。
統計分析企業Metricの発表によれば、2024年にはShopee、Lazada、Tiki、Sendo、TikTok Shopの主要5プラットフォームにおいて、約16万5000店舗が閉鎖された。
この傾向は2025年に入っても続いており、国内ブランドの市場における存在感は一段と希薄になっている。
この背景にはSNSインフルエンサーによる中国企業や製品の積極的な紹介があり、それによって信頼性の高いイメージが醸成されていることがある。
とりわけTikTok Shopでは、中国製の化粧品ブランドが短期間で高い販売実績をあげており、現在では1万4000品以上の商品が同プラットフォーム上で販売されている。
さらに、ファッション、家電、食品などの他分野においても中国企業の参入が進み、ベトナム語に不慣れな販売者であっても翻訳ソフトを活用することで、支障なく販売活動を展開している。
こうした状況の中、一部の国内ブランドは激しい価格競争からの撤退を選択し、品質や文化的価値を重視した事業再構築を進めている。
女性向けブランドEdiniはカジュアル商品の取り扱いを終了し、伝統衣装であるアオザイに特化する方針へと転換した。
また、ハノイ市を拠点とするMetanoiaは、大量生産や模倣デザインからの脱却を掲げ、品質志向のブランド戦略に舵を切っている。
こうした国内ブランドの動きに呼応し、ECプラットフォーム各社も支援策を強化している。
Shopeeは「Tinh hoa Việt chung sức」プロジェクトを展開し、地域文化を活かしたライブコマースを実施している。
TikTok Shopは環境配慮型商品のPRを目的に、企業の製造現場からのライブ配信を行う取り組みを進めている。
一方、ベトナム財務省は2025年2月より、1注文当たり100万ドン(約5510円)以下の輸入品に対する税免除を撤廃し、年間4800万ドンを上限とする新たな免税制度を提案した。
この措置は個人消費の活性化を目的としたものであるが、一部の製造業者からは「不公平な競争環境を助長する」との懸念の声も上がっている。
関係者は国内産業を守りつつ消費者にも利便性を提供する制度設計の必要性を訴えている。
税制の一律免除ではなく、技術を活用した限定的かつ管理可能な仕組みの導入が求められている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。