2015年03月09日

ベトナムの環境問題

経済成長の著しいアジアの新興国ベトナムでは、急速に進む社会経済発展の下、主要都市部への人口集中や、地方都市における産業構造の変化により、さまざまな環境負荷を生み出している。

ベトナムは、農業国からの転換を目指し、積極的な外資優遇政策により、急速に工業化を進めてきた。

しかしその一方で、環境に対する規制が不十分であったために、以下のような大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、悪臭・騒音等の環境問題が深刻化している。

ベトナムの大気汚染は、主に車両やバイクの排気ガスと、工場等の産業施設からの有毒物質の放出によるものである。

汚染は国内全土に広がっているが、特に首都ハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォン等の大都市における汚染が深刻である。

同国では、主な移動手段がバイクであるため、都市部のラッシュ時には交通量が非常に多くなる。

ベトナムの水質汚濁は、生活排水、産業排水、河川や湖沼に投棄される廃棄物等が複合的な要因となり発生している。

その改善が遅れている最大の理由としては、汚水処理施設の欠如や不足といった水質汚濁対策インフラの未整備が挙げられる。

多くの工場が集まる都市部を流れる川の下流部は、真っ黒によどみ悪臭を放っている。

魚がほとんど生息できないレベルに達している場所も多い。

WHOは、2004年時点で既にベトナムでは死者の4人に1人の死亡原因が環境汚染と関係があると発表しているが、現在の状況はその当時よりも更に悪化し、赤痢や下痢等の健康被害が発生している。