ベトナムではマラリアはかかりやすい病気? 予防対策や罹患したときの対処法を紹介

ベトナムではマラリアはかかりやすい病気? 予防対策や罹患したときの対処法を紹介

ベトナム都市部にマラリアはほとんど生息していないため、ベトナムでマラリアに感染する確率は極めて低いものの、万が一の場合に備えて予防法や対処法を知っておくことが重要です。マラリア原虫を持ったハマダラカ属の蚊に刺されることによって感染します。マラリア原虫は「熱帯熱」「卵型」「三日熱」「四日熱」の4種類あり、原虫の種類によってマラリアに感染した際の症状は異なります。今回はベトナムにおけるマラリア事情やマラリアに感染しないための予防策などを、ハノイの日系クリニック「さくらクリニック」が詳しく紹介します。

 

 

ベトナムでもマラリアは注意が必要?

 

マラリアは世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行している病気です。東南アジアや中東、アフリカ中部、南アメリカ大陸北部などで感染例が報告されています。WHO(世界保健機関)の統計では2016年にはマラリアで推定44万5000人が死亡しています。死亡者のうち、ベトナムを含む亜熱帯地域における感染者が97%を占めています。


ホーチミンやハノイなどの都市部で生活している場合には感染の可能性がほとんどないですが、注意が必要な地域もあります。ベトナムでは都市の中心部や紅河デルタ周辺、ニャチャン(Nha Trang)北部地域の沿岸地域をのぞいたベトナム全土で感染のリスクがあります。感染者が多いと言われている地域は最南端のカーマウ(Ca Mau)省やバックリエウ(Bac Lieu)地域、さらに北緯18度以南の標高1500m以下の高地と言われています。ベトナムでかかるものの多くは熱帯熱マラリアです。熱帯熱マラリアに有効なワクチンは未だ開発されていないため、感染リスクが高く医療機関が少ない地域では事前の予防が重要となります。

 

 

マラリアの種類別の症状

 

マラリアには4種類あり、種類によって症状も異なります。種類別の症状について紹介します。

 

熱帯熱マラリア

「熱帯熱マラリア」はベトナムで最も感染例の多いマラリアです。感染すると、毎日発熱するという特徴を持つだけでなく、死に危険性もある合併症を引き起こすこともあるため「重症マラリア」とも呼ばれています。合併症としては、「異常行動、意識障害、発作、こん睡や神経障害といった症状を伴う脳マラリア」「赤血球の破壊による深刻な貧血」「呼吸困難や発熱といった症状を伴う急性呼吸逼迫症候群(ARDS)」「血液凝固の異常」「心臓血管系の不全による低血圧」などの症状を挙げることができます。

 

卵型マラリア

「卵型マラリア」に感染すると48時間〜50時間ごとに高熱と解熱を繰り返します。発熱や悪寒、発汗、頭痛、悪心、嘔吐、体の痛み、全身の倦怠感などの症状が引き起こされます。

 

三日熱マラリア

「三日熱マラリア」はおよそ48時間ごとに高熱と解熱を繰り返すマラリアです。症状は卵型マラリアとほとんど同じであり、発熱や悪寒、発汗、頭痛、悪心、嘔吐、体の痛み、全身の倦怠感などの症状を引き起こします。

 

四日熱マラリア

「四日熱マラリア」は72時間ごとに高熱と解熱を繰り返します。マラリアの症状の中では感染例が少なく症状も軽い病気です。

 

 

マラリア感染の予防対策

 

マラリアは有効なワクチンが現在ないため、予防対策を行うことが重要です。都市部で感染する可能性は低いですが、万が一の場合に備えてベトナムでマラリアを防ぐための予防策について紹介します。

予防薬の服用
まず、マラリア発症のリスクを軽減するための予防策として挙げることができるのは予防薬の服用です。専門医の指示に従って内服薬を服用します。ハノイではほとんど感染例がないため、さくらクリニックでは内服薬を取り扱っていません。ハノイ市内の大規模な病院では取り扱っている病院もあります。

 

露出が低い服装をする

感染を防ぐためには予防薬の処方以外にも効果的な対策があります。まず、肌の露出の少ない服装をすることです。感染源となるハマダラカ属の蚊は主に夕暮れから明け方にかけて活動をおこなうため、その時間帯に外出する場合には長袖・長ズボンを着用することが望ましいです。また、虫除けスプレーやローションなども効果的です。ベトナムのコンビニやスーパーで市販されているものをこまめに使用することがおすすめです。

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マラリアに感染した場合にはどうする? 対処法を紹介


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