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アジア最速で高齢化が進行、ベトナムは制度整備と医療支援が急務

<写真:cafebiz.vn>
ベトナム保健省は、同国における高齢化の進行がアジアで最も速い水準に達していることを明らかにし、高齢者に対する健康支援および社会福祉制度の強化が喫緊の課題であると指摘した。
保健省の統計によれば、現在ベトナムには約1610万人の高齢者が存在し、これは総人口の約16%に相当する。
さらに、2038年までにはベトナムが高齢社会に突入するとの予測が示されている。
特に、メコンデルタ地域および紅河デルタ地域では高齢化の度合いが顕著であり、それぞれ高齢化指数は76.8%および70.6%に達している。
ホーチミン市においては、60歳以上の人口が約130万人(全人口の12.5%)を占め、2030年には20%(約180万人)に達する見込みである。
高齢化は経済成長、社会保障制度、労働力の構成、さらには都市インフラの設計に至るまで、多岐にわたる分野へ影響を及ぼす。
中でも医療分野における影響は深刻である。
ベトナム人の平均寿命は地域内で高い水準にあるが、健康寿命との乖離が大きく、平均して14年間を疾病とともに生活しているという。
高齢者の多くが高血圧、心疾患、糖尿病、認知症などの慢性疾患を抱えており、生涯にわたる継続的な治療を必要としている。
このような状況を受け、国家予算からは年間約28兆ドン(約1632億円)が充てられ、高齢者への月額補助金の支給や医療保険カード購入費などに使用されている。
現時点で高齢者の95%が医療保険に加入し、約187万人が社会保障を受給している状況にある。
保健省は今後も高齢者政策の実施状況を継続的に監督し、制度の見直しや改善提案を行う方針を示している。
また、高齢者団体への経済的支援の拡充については、ベトナム高齢者協会中央会に検討を委託している。
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