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ハノイの新築マンション市場、手頃な価格帯が消失

<写真:cafebiz.vn>
不動産仲介大手サヴィルズ・ハノイが発表した2025年第1四半期の市場動向によれば、ハノイ市で20億ドン(約1093万円)以下の新築マンションが市場からほぼ姿を消した。
同期間における新築マンションの平均販売価格は1㎡あたり7900万ドン(約43万2000円)に達し、取引の大半は1戸40億ドン(約2186万円)以上となっている。
新規供給は主に都市周辺部に集中し、供給全体の約9割を占めた。
ザーラム郡、ドンアイン郡、ナムトゥーリエム区が主要な供給エリアであり、手頃な価格帯の物件は極端に不足している。
20億〜40億ドン(約1093万〜2186万円)の価格帯が約半数を占め、残りは40億ドン(約2186万円)以上の物件で構成されている。
中心部から15〜20km離れた郊外プロジェクトにおいても、1㎡あたり7000万〜9000万ドン(約38万2000〜49万2000円)の価格設定が一般的となった。
ドンアイン郡では1㎡あたり1億ドン(約54万6000円)を超える案件も登場している。
この傾向によって実需層の住宅取得は一層困難になっており、特に20億〜30億ドン(約1093万〜1640万円)の予算では、中心部における購入選択肢が著しく限定される状況にある。
ベトナム不動産仲介協会(VARS)によれば、住宅価格はハノイ市民の平均所得に対して2.3〜10倍に達している。
総務省統計総局のデータでは、ハノイ市民の2024年第3四半期の平均月収は1070万ドン(約5万8000円)、世帯収入は2140万ドン(約11万7000円)に留まる。
一方で、50㎡のマンション価格は約35億ドン(約1913万円)であり、購入には月収4500万〜2億1000万ドン(約24万6000〜114万8000円)が必要と試算されている。
土地管理局によれば、かつては10億〜15億ドン(約546万〜819万円)で住宅購入が可能であったが、現在では極めて難しくなっている。
背景にはパンデミック以降の供給停滞と中心部における土地不足による価格高騰があるとされる。
こうした価格高騰を受け、ハノイ市民は中心部から離れた環状道路3.5号線から4号線沿い地域に物件を求める動きを強めているという。
サヴィルズは購入希望者に対し、インフラ整備の進捗状況、開発業者の信頼性、法的透明性を十分に確認するように注意を呼びかけている。
特に郊外開発地ではインフラ整備が長期間に及び、投機的な取引による不動産価格の高騰リスクが懸念されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。