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ベトナムの電気料金、構造的課題が依然残存

<写真:plo.vn>
ベトナムの平均小売電気料金は、1kw時あたり約8.1セント(約12.61円)であり、これは中国の7.6セント(約11.83円)やインドの7.7セント(約11.99円)とほぼ同水準にある。
一方で、タイやシンガポール、カンボジアといった周辺諸国と比較すると、相対的に低い水準にとどまっている。
これは5月7日に政府ポータルが主催した電力供給に関する座談会において、エネルギー専門家のハー・ダン・ソン氏により示された。
ソン氏はまた、電気料金における本質的な課題は「高低の議論」ではなく、生産コストを的確に反映し、電力システム全体の投資および運用を安定化させる仕組みの整備にあると指摘している。
実際、ベトナム電力公社(EVN)が2023年に算出した発電コストは1kw時あたり2088.9ドン(約11.5円)であったが、実際の平均販売価格は1953.57ドン(約10.8円)にとどまった。
そのため、同年の損失額は34兆2450億ドン(約1893億7000万円)に達した。2022年においても同様に巨額の赤字を記録している。
現在の価格統制下では、石炭やガスといった主要な発電燃料の価格が適切に料金に反映されておらず、家計と産業の間での価格補填や地域間の格差も是正されていない。
このような制度は民間資本の投資を呼び込む障壁となっているばかりか、省エネルギー推進や電力分野における技術革新の妨げにもなっている。
元価格管理局長のグエン・ティエン・トア氏は、電気料金の市場化を推進し、発電・送電・小売・管理の各段階で発生するコストを正確に算出した上で、事業者に一定の利益を保証する制度への転換を提案している。
これに対してソン氏も同様の立場を示しており、段階的かつ透明性のある価格調整と、それに伴う社会的影響への丁寧な配慮を求めている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。