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26年からの税制改革、個人事業主に大きな影響
<写真:nld.com.vn>
2026年からの税制改革により、全国の個人・家族経営による事業者(以下、個人事業主)は、従来の定額課税方式から、収支に基づく申告納税方式への移行が求められる。
これに伴い、すべての取引において合法的な請求書や証憑書類の保存が義務づけられるが、現場では大量の在庫商品に証憑が存在しないことに対する戸惑いの声が広がっている。
ホーチミン市内の複数の市場では、非公式な仕入れルートに依存し、現金取引によって証憑を取得しない慣行が長年にわたって継続されてきた。
衣料品や履物などを扱う小規模事業者の多くは、帳簿の記録や請求書の保管を行っていない。
そのため、今回の制度変更によって、既存の在庫商品の出所を証明できず、不透明な資産として扱われる可能性がある。
ベトナム税務相談協会会長によれば、定額課税時代に蓄積された在庫は、大半が無証憑であり、これが移行期における最大の障害となっている。
証憑のない商品は、違法な仕入れ品や偽物と見なされる可能性があり、課税上のリスクが発生するという。
税務専門家は、2025年末時点で棚卸を実施し、その在庫情報を2026年の帳簿の初期在庫として記録する方法を提案している。
しかしながら、その情報を電子申告システムへ反映させる仕組みが整っていないことが、新たな課題となっている。
さらに、事業者が法人化を選択した場合、無証憑の在庫は原価算入が認められず、法人税計算における控除対象外となる。
これを回避するためには、在庫を企業への出資として登録するか、自ら請求書を発行して「販売」扱いとする手段があるが、いずれも財務的な負担増につながる可能性がある。
財務省傘下の税務総局は、無証憑商品の取引が「不明確な出所」と見なされ、状況によっては課徴金や刑事責任の対象となる可能性があると警告している。
税務当局は今回の改革を、中小事業者の企業化と、正規経済への統合を促進するための重要な施策と位置づけている。
現在、全国には約360万の個人事業主が存在し、そのうち半数以上が定額課税方式で納税している。
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