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物価の高騰を受け、消費の伸びが鈍化し始める ベトナム
〈写真:VnExpress〉
ガソリン、食品、サービスなどの価格高騰は、インフレによる購買力の低下と所得が低迷を招き、消費者は支出を抑えざるを得ない状況になっている。
既に一部の消費者の間では、ガソリン代の支出を減らすため、バイクの運転を止めバスに乗り換えたり、買い物の頻度を減らしたり、必需品だけを購入するといったように消費の鈍化が始まっている。
今月、地元報道機関が2400人を対象に行った調査によると、50%が食品価格の上昇、40%が燃料価格の上昇の影響を受けていることが判明した。
ハノイスーパーマーケット協会の前会長は、商品や医薬品の価格が5~30%上昇したと推定する。
主要消費財9品目のうち8品目の価格が急上昇し、砂糖、調理用ガス、即席麺など7品目が2桁の値上がりを記録した。
ガソリンは今年に入ってから25%以上、前年同期比では64%上昇しており、国内だけでなく世界的にも供給不足が報告されている。
投資会社「VinaCapital」社は、今後数カ月でガス価格がさらに30%上昇し、インフレ率をさらに押し上げる可能性があると予測している。
食品メーカーは、食材や輸送の価格上昇により、同様に値上げを余儀なくされている。
食品会社「Vinh Thanh Dat」社によると、同社のサプライヤーが容器や動物飼料などを10~20%値上げしたため、卵を赤字で販売している状況である。
大手即席麺メーカー「エースコック(Acecook)」は、輸送コストや投入コストが上昇により、10%の値上げを行なった。
中産階級の労働者は価格高騰の影響を最も受けており、ジムなどのサービスの利用を止めたり、デリバリーサービスや外食を控え自炊をするようになっているという。
飲食店では顧客の減少により、デリバリーサービス配達員の収入が減少し始めている。ハノイ市のある配達員は、1日に10件しか注文を受けられず、収入は通常時の半分になっている。
GrabもGojekも今月から運賃を引き上げたことにより、顧客が減少し運転手の収入が減り始めている。ある配車サービス会社の運転手は、1日の収入が30%近く減り50万ドン(約2500円)になり、ガソリン代や食事代を考慮すると、手元にはほぼ残らない状況となっている。
物価の高騰はインフレを押し上げる恐れがあるが、多くの団体や専門家は、インフレは抑制されると楽観視している。
HSBCは今月、ロシア・ウクライナ危機の懸念にもかかわらず、ベトナムのインフレ率予測を3%に据え置いた。この予測は、政府が定める4%の上限を大きく下回っている。
世界銀行と投資ファンドのドラゴンキャピタルも同様の見解を示している。
国家金融監督委員会情報センターのNguyen Ba Khang副所長は、「付加価値税が年内10%から8%に引き下げられ、一部の消費財の価格が安定したことが、インフレを抑制するのに役立っている。インフレ率は上昇したが、ひどい状況ではない」と説明している。
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