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ベトナム:大気汚染が改善されるもののWHOの基準には達せず
〈写真:VnExpress〉
ベトナムの大気汚染は2021年に改善されたものの、世界保健機関(WHO)のPM2.5の環境基準を満たすには至っていない。
スイスの大気汚染測定ツールなどを手掛けるIQAir社による「世界大気品質レポート」によると、2021年もPM2.5の濃度の低下は続き、2019年の34.1μg/m3をピークに24.7μg/m3まで低下した。
22日に発表されたこの報告書には、117の国や地域、6475都市のPM2.5大気汚染データが含まれている。
ハノイのPM2.5濃度数値は、4.5%減の36.2μg/m3で、ホーチミン市は、22μg/m3から19.4μg/m3まで低下した。
しかし、IQAir社によると、PM2.5濃度が低下しているにもかかわらず同報告書に含まれるベトナムの13都市は、いずれもWHOの環境基準である年間平均濃度5μg/m3を満たしていない。
この13都市は、北部のタイグエン省やハノイ市などの平野部から南部のメコンデルタのロンスエン市まで、全国に分布している。
タイグエン省タイグエン市は40.8μg/m3と最も汚染されていたが、ハロン市は10.7μg/m3と比較的きれいな状態であった。
同報告書によると、国別ランキングではベトナムは117カ国中36位。首都別ランキングでハノイ市は107首都中15位。都市別ランキングでホーチミン市は、世界では1179位、東南アジアでは227都市中109位だった。
ハノイ市は、PM2.5濃度がWHOのガイドラインの推奨値の7倍に達している。
IQAir社によると、ベトナムの発電用化石燃料の使用が、自動車やバイクの排気ガス、工場の排ガスとともに、大気汚染の主な原因である。
過去10年間で同国の経済は成長し、電力需要が増加し、2020年には全電力の半分が石炭火力発電所によって発電されるようになった。
ベトナムは昨年の国連COP26で2050年までにカーボンニュートラルを達成することを約束している。
現在、同国は、東南アジア最大の太陽光発電インフラを持ち、洋上・陸上風力発電所の建設を進めており、化石燃料の使用から脱却する態勢を整えている。
世界では、インドのデリー、バングラデシュのダッカ、チャドのンジャメナが最も空気の質が悪く、ニューカレドニアのヌメア、米領バージン諸島のシャーロットアマリー、プエルトリコのサンファンが最もクリーンな状態であった。
WHOの環境基準を満たした都市はわずか3%で、どの国も基準を満たせていない。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。